阪神・藤浪 「投げ方分からなくなり」戻った15年型投球フォーム きっかけは米国人の一言

[ 2020年8月22日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神7-4ヤクルト ( 2020年8月21日    神宮 )

<ヤ・神(10)>先発した藤浪の投球フォーム(撮影・大森 寛明)
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 沖縄キャンプも折り返しを迎えていた2月の中旬、目の前でグツグツ沸き立つ鍋をよそに阪神・藤浪は、大きな背中をぐっと丸めてスマホを凝視していた。

 映し出されていたのは2人の背番号19。14勝した15年と現在のフォームを比較するためのスロー映像で、アプリを駆使して自作したという。膝の角度、腕の位置、体の開き…チェックポイントに赤い丸を付け、何度も再生。不振の過去3年は、試行錯誤してきたフォームの変遷とイコールで結ばれる。

 向上心から始まった苦闘だ。「16年に7勝11敗で負け越して、何か変えなきゃと。そこで自分の変えてはいけない部分まで変えてしまった。自分の動きと逆だったり、本来とは違う動きを試したり。もっと良くなりたい…と思ってるうちにあれ、あれ、となって。昨年もずっと“違うな”と思って投げてた。気が付けば、元の投げ方が、ほとんど分からなくなってしまって」

 投げ出す時、内側(本塁方向)に折っていた右膝の動きが典型的だった。「膝は折らない」の“常識”に倣って、一時期はがに股で外側へ力をかけるよう矯正した。「安定すると思ってやったけど自分はずっと内側に折っていた。それで力が入るはずがなかった」

 さまよう中で、道筋を見つけたのは昨年12月。沖縄で「ドライブライン」のトレーニングに参加した際、米国人のスタッフに言われた。「“膝を曲げたらダメ? 米国にそんな教えはないよ”と言われて。科学的に正しい投げ方とか、本当にいろんな人の話を聞いてやってきたけど、最後は自分の感覚が大事だと再確認できた」

 2月は右膝を内側に折る15年のような重心の低いフォームで腕を振った。「傾斜に沿ってグーっと膝を折りに行ってるイメージで。そこで間ができるので、腕も上がってきて体も開かない」。その目に迷いは無かった。1周…いや、何周もして戻ってきた“場所”。ここから再出発する。(遠藤 礼)

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