槙原寛己氏 変化球が生きる菅野の新フォーム

[ 2020年7月4日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―0中日 ( 2020年7月3日    東京D )

<巨・中>完封勝利を飾り笑顔を見せる菅野(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 【槙原寛己 視点】今年の菅野は始動を大きく変えた新フォームで臨んでいるが、その真価が発揮された投球だった。去年までと比べて一番良くなったのは縦の変化球。フォーク、カーブの軌道と変化量にある。

 始動をあの形にすることで、軸足である右足に今まで以上に体重が乗る。真っすぐも指に掛かるが、それ以上に体が打者側へ突っ込まないことで変化球が生きる。左肩の開きも抑えられる。スライダーは曲がり始めが遅く、打者の手元で曲がっていた。元々得意な球だが、より見極めが困難に。そしてフォークとカーブが縦によく落ち、際立っていた。

 落ちる系の両球種は右足に体重が乗らないといけない。特にフォークは抜けやすい球種。他の球で抑えられるので、以前はほとんど使わない試合もあった。ただ今日は両球種とも、低めやワンバウンドに決まっていた。ならば使わない手はない。この日は走者も出さず、セットポジションがほぼなかった。始動から軸足に体重が乗る新フォームで終始投げ続けられた。

 大城とのバッテリーにも中日打線が戸惑っているように映った。直球が多く、内角もよく突いた。それが9回まで効いた。ノーヒッターの予感は十分漂った。彼は本来、四球も少ないタイプ。完全試合、菅野なら十分あると改めて思わされた。

続きを表示

2020年7月4日のニュース