オコエ初3安打 梨田監督「散髪に行くらしいから“3発”打てと」

[ 2016年6月12日 05:30 ]

<楽・広>オコエ自慢のモヒカンは伸び放題

交流戦 楽天2―1広島

(6月11日 コボスタ宮城)
 楽天のドラフト1位ルーキー・オコエ瑠偉外野手(18)が11日の広島戦で逆転勝利を呼び込んだ。自身初で、ドラフト制後の高卒新人では99年の広島・東出輝裕、西武・赤田将吾以来17年ぶりとなる3安打猛打賞。7回、左中間へ放った3本目は単打性の打球を激走で二塁打とし、8回の逆転へチームの士気を高めた。松井秀喜や清原和博も通過した高卒新人猛打賞。異次元の躍動感で新風を吹かせ続ける。

 グラウンドを風が駆け抜けた。オコエが大きなストライドでダイナミックに黒土を蹴り上げる。最後は二塁へ刺さるようなスライディングだ。3、5回に続く3安打目。プロ初の猛打賞を“らしい”長打で決めた。

 7回の第3打席、岡田の外角スライダーを捉えた。左翼手・松山が中堅側へ回り込むようにして処理に向かう。「走りながら行けると思った」とオコエ。一度判断すればもう、両足をぐいぐい運ぶだけだ。関東第一で出場した昨夏甲子園で、一塁手を強襲してファウルゾーンに転がった当たりを二塁打にしたほどの剛脚。松山の動きにさほど無駄はなかったが、単打の範囲のはずの打球が二塁打に姿を変えた。

 米村一塁ベースコーチは「普通はストップをかけて二塁に行かせないけど、持ってるスピードが違う。打った瞬間、腕を回した」と話した。二塁到達タイムは手元の時計で7秒63。二塁打での二塁到達は8秒29を切れば俊足と評価され、日本ハム・西川や西武・金子侑の7・86秒は球界トップクラスとされている。14年盗塁王の西川が左打席からスタートしたタイムを、オコエは右打席からのスタートで上回った。

 3安打しながら「チームの勝利に貢献できるヒットを打てなかった」と得点に絡めず悔しがったが、7回に見せた積極性はベテラン、中堅の発奮を促し、8回逆転の導火線になった。決勝打の聖沢とは4日の中日戦後、名古屋で食事に出掛けた。聖沢は「完全オフモード。野球の話はほとんどしてない」と言ったが、18歳をチームの一員として認めているからこそ、ルーキー1人に話題を独占させまいと、ここぞの場面で力を発揮した。

 走塁で見せた身体能力だけでなく、野球頭脳もレベルアップ中。3回の第1打席で外角直球を右前打すると、5回の第2打席は一転、111キロカーブを左前に運び、「配球をばっちり読めた」と胸を張った。前日は黒田のスライダーに合わず、この日も最初の打席でスライダーをハーフスイングして止めた。「相手捕手は変化球が弱いというイメージがあるかなと思い、スライダーかカーブを待った」という。

 梨田監督は「今日、散髪に行くらしいから“3発”打てと言ったら3本打ったね」と得意のダジャレで褒め称えた。「とりあえず切りに行ってきます」とオコエ。自慢のモヒカンは伸びきり、影も形もなかったが、成長の証でもあった。 (徳原 麗奈)

 ≪86年清原(西)は9度≫オコエ(楽)がプロ入り初の3安打。ドラフト制後、高卒新人の猛打賞は99年に東出(広)、赤田(西)がマークして以来17年ぶり14人目になる。うち複数回の猛打賞は86年清原(西)の9度を筆頭に4人。今後オコエがどこまで増やすか注目だ。なおドラフト制導入以前の大物高卒新人を見ると、59年張本(浪商→東映)はチーム3試合目の4月12日阪急戦で早々と3安打。シーズン通算7度の猛打賞を記録した。同年デビューの王(早実→巨)は31安打をマークしたが複数安打は4度あった2安打止まりだった。

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