中日・大野 気迫145球完投で3勝目 復帰2戦目2カ月ぶり白星

[ 2016年6月12日 05:30 ]

<西・中>完投勝利を挙げた大野の帽子のつばには「無」の文字

交流戦 中日4―2西武

(6月11日 西武プリンス)
 6回裏を抑えて戻ったベンチで中日・大野は近藤投手コーチに意思を聞かれた。既に111球を投げていたからだ。まだ同点。答えは決まっていた。即答で続投を志願した。

 7回表の攻撃も無得点で勝利投手の権利もない中、挑んだ終盤戦。以降の3回は安打どころか出塁も許さなかった。自己最多まであと1球に迫る145球目で最後のアウトを奪った。とても左肘不安から復帰2戦目とは思えない勇姿で復活星をつかんだ。

 「ケガで離脱してしまっていたので、早くチームに貢献したいと思っていた。最後まで投げることができてよかった」

 4月15日に左肘炎症で登録を外れた。リハビリを終えて約2カ月ぶりに合流した3日、あいさつした谷繁監督から「しっかり勝てる投球をしてくれ」と激励された。翌4日の楽天との復帰戦は初回に3四球などで3失点する自滅。「情けない」と激しく自分を責めた。

 二度も信頼を裏切るわけにはいかなかった。3回は犠飛、4回は押し出し四球で失点。4四球を与え、球数が増えても決定打だけは許さなかった。9回を5安打2失点で投げ抜き、4月8日の巨人戦(ナゴヤドーム)以来の3勝目。「最後までいけへんかなと思ったけど、気合で投げた。昨日は山井さん、田島が2イニングずつを投げた。自分が期待されているのはイニングの部分もある」。延長12回の消耗戦に敗れた翌日。救援陣も救った力投にはエースの意地が詰まっていた。 (細川 真里)

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