履正社 初頂点へド派手開幕!辻満塁弾&溝田1安打完封

[ 2014年3月22日 05:30 ]

<履正社・小山台>9回1死、代打・竹下に三塁内野安打を打たれ、ノーヒットノーランを逃した溝田(右端)

第86回選抜高校野球大会1回戦  履正社11―0都小山台

(3月21日 甲子園)
 満塁本塁打に1安打完封。3試合目に登場した履正社が、11―0でど派手に開幕を飾った。

 まずは2回。1点を先制し、なおも2死満塁から2番の辻が、内角直球を右翼ポール際に叩き込んだ。これが高校入学後、初本塁打だった。「手応えは完璧。一気に4点も入ってチームは楽になった」と史上20人目のグランドスラムに胸を張った。

 昨年は初戦敗退。兄・天薫(たかまさ)も彦根東(滋賀)の一員として昨夏の甲子園に出場したが、初戦で敗れた。兄と合わせ通算3度目の甲子園で「辻家初勝利です」と声を弾ませた。だが9回の守備では、三塁前へのボテボテの打球を内野安打とし、エース溝田のノーヒットノーランを消してしまい「あと2人だけだったので悔しい。申し訳ない」と自らを責めた。

 9回1死までノーヒット投球を続けた溝田は、04年の東北(宮城)ダルビッシュ以来10年ぶりの快挙を逃した。それでも「狙っていましたけど、ヒットを打たれチームの勝利に気持ちを切り替えました。日頃の行いが悪いからですね」と屈託のない表情で笑った。

 中学2年秋にも、同じ甲子園であと2人のところで快挙を逃している。「甲子園ってすごい。こんな偶然があるなんて…」。スタンドで見守った父・周平さん(39)は「あいつらしい。詰めが甘い」と笑った。だが快挙を逃したとはいえ、快投は色あせない。縦横のスライダーをコーナーに散らし、8奪三振。2年生右腕がまばゆい光を放った。

 これでセンバツでの大阪勢は、東京勢に8連勝。6度目の出場で初の頂点を狙う履正社は、投打がかみ合い、幸先のいいスタートを切った。

 ≪20人目の満塁本塁打≫履正社の辻が2回に満塁本塁打。11年に東海大相模・田中が準決勝の履正社戦で記録して以来、大会史上20人目。満塁弾を記録した学校が完封勝利したのは大会初。

 ≪2年生快投は38年ぶり≫履正社の溝田が1安打完封勝利。1安打以下の完封は、05年に神戸国際大付・大西が駒大苫小牧との2回戦で1安打完封して以来。2年生に限ると、76年に天理・福家が修徳との1回戦でマークして以来38年ぶりとなる。

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