渡辺名人87手で勝利 「とりあえず良かった」 藤井戦の連敗止めた

[ 2023年5月15日 05:20 ]

藤井聡太王将に勝利し、1勝2敗とした渡辺明名人
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 渡辺明名人(39)が挑戦者に藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖を含む6冠=を迎えた第81期名人戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)7番勝負第3局は14日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で2日目が指し継がれ、先手渡辺が午後8時20分、87手で勝利した。7番勝負初勝利で1勝2敗とし、3月の棋王戦第3局で勝利して以来の対藤井戦の連敗を3で止めた。

 「ここまで結果が出てなかった。とりあえず良かったかなと思う」。この日の勝利で公式戦の通算対戦成績を4勝18敗とした。棋界の序列2トップによる5度目のタイトル戦。その勝敗も渡辺の0勝4敗で、意外すぎる大差がついたが一矢報いた。

 先手で迎えた渡辺は前日、9手目で左銀を上がって角換わりを打診した。藤井にとって全公式戦の約3割を指す十八番。その得意戦型へ自ら飛び込む意欲の表れだった。

 テニスのサーブ権に例えられる先後の手番を重視する渡辺は、勝率で若干優位な先手で必勝を期した。対藤井戦の過去21局、角換わりは渡辺の3勝4敗。負け越しだが、20年度棋聖戦第3局、21年度銀河戦、昨年度棋王戦第3局と藤井から奪った白星の全てでもあった。ところが藤井は自ら角道を閉ざし、角交換を拒否。渡辺は金矢倉、藤井は雁木(がんぎ)に組む前例の少ない力戦へ進行した。そこでつかんだ1勝は重い価値を持つ。実は対藤井戦では先手で挙げた初白星。角換わりにとどまらず今回の矢倉戦に見いだした鉱脈を、7番勝負だけでなく対藤井戦の反攻へのきっかけとしたい。

 ≪藤井王将、攻め合いを反省≫
 開幕3連勝を逃した藤井は「攻め合いを選んだが、攻めが細くあまり成算がなかった。どういう攻め方がいいか分からないまま指した」と回想し、64手目に放った角斬りの強手を反省した。名人戦の過去80期、開幕3連勝した名人、もしくは挑戦者は26人中26人が獲得した。最短距離での奪取こそ逃したが21、22日、福岡県飯塚市での第4局へ向け「しっかりいい状態で臨めれば」と切り替えた。

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