ジャニーズ性加害問題 求められる納得のいく「透明性」ある改革

[ 2023年5月15日 06:00 ]

ジャニーズ事務所
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 【記者の目】なぜジュリー氏はこのタイミングでQ&Aを使った回答書による説明にとどめ、会見を開くことがなかったのか。4月に行われたカウアンの性被害問題の会見から約1カ月が経過し、大きな進展があるようにも思われたが、中途半端な形で終わった感は否めない。

 性加害の事実認定を避けた上に第三者による調査委員会についてもデリケートな問題を含むため被害者の感情に配慮して立ち上げを見送った。その上で外部のカウンセラーらによる相談窓口の設置を検討したことは評価できるものの、この場合、被害者側から声を上げない限り事実上、機能しない。深く謝罪している姿勢が強調されている分、それに見合った結論と解決策が見えないことに物足りなさを感じる。

 会見にしてもそうだ。こうした不祥事や問題が起こった場合、自身の言葉だけで解決することは極めて難しい。これまで多くの企業が記者会見をすることでみそぎを済ませて前に進んだ。ジュリー氏の1分9秒の動画は謝罪の雰囲気は伝わるものの回答書との二段構えで甘さが目立った。公の場で説明を尽くすことで被害者に対する謝罪や誠意も伝わったはずだ。

 トップが初めてこういった形で問題に向き合った事実は大きい。今回の問題でスポンサーやファン離れが急激に進むことも十分に考えられる中、日本最大のエンターテインメント企業は再発防止に向け、どのように進むのか。世間の厳しい目にさらされることにはなるが、透明性のある健全な改革を期待したい。(文化社会部部長・森 俊幸)

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