中森明菜「少女A」誕生秘話 最初は断っていた売野氏「タイトルだけ思いついた」「これは凄いことじゃ…」

[ 2023年5月15日 20:05 ]

「少女A」ジャケット

 「少女A」や「涙のリクエスト」「2億4千万の瞳」「め組のひと」「六本木純情派」など数多くの代表曲を持つ作詞家の売野雅勇氏(72)が15日、TOKYO FM「坂本美雨のディア・フレンズ」(月~木曜前11・00)に出演。中森明菜が歌った名曲の一つである「少女A」誕生秘話を明かした。

 コピーライター、ファッション誌の編集者を経て「29歳」の時に作詞家への一歩を踏み出した売野氏。これまで作詞を手がけた楽曲は1400曲を超え、今年作詞活動40周年を迎えた。

 「ちゃんとしたストーリーが書けなくて、コピーライターっぽいっていうか変わった言葉を並べるような」自身の詞を周り(の人間)が面白がってくれたと述懐。シャネルズや伊藤銀次の楽曲に携わり「割と気楽に1、2年過ごした後に転機が訪れた。

 売野氏の作詞家としての“原点”ともいえる作品が「少女A」。売野氏は「(自身が作詞家としてやっていく)ちょうどいい時期に“中森明菜さんの曲を書かないか”という話があったんですけども“あっ、僕いいです。書けないですから”って言ったんです、事務所の人に。そうしたら“売野くんね、作詞家としてやっていくんだったら、こういう歌謡曲とかちゃんと書けないとやっていけなよ”って言われたんで“じゃあ、ちょっとやってみます”っていう。だいたい、僕軽いんですよ(笑い)」と最初に話を受けた際には断っていたことを明かした。

 軽い気持ちで引き受けた結果、大ヒット曲となったが「それはね、本当に意外。最初はシングルじゃなくてアルバムの曲(のつもり)だったので気楽で。歌謡曲のことをそんなに愛していなかったんですよね、最初は。なので、自分に対してね格好つけるところがあるんです。それで、自分がアイドルの人の詞を普通に書いたら、ちょっと許せないっていうんですか…自分の中のもう一人の自分が“それダメだよ。そんな格好悪いの、やめた方がいいよ”っていう…こういう自分もいて」と自分が当時のアイドルの王道の歌を書いたら格好悪いと思っていた当時の胸中を詳細に説明。

 「それで『少女A』っていうタイトルだけ思いついたんですよ。これをアイドルの人が歌うっていうのが“これは凄いことじゃないかな”って考えて。だったら、ちょっと(自分がアイドルの詞を書くことに対して)言い訳が立つっていうかね。自分を正当化できるっていうような感じで。これだったら」とアイドルが不良少女の世界を歌うという意外性や格好良さに自分自身も納得したと振り返った。

 「タイトルだけ思いついたんですね。ストーリーとか全然…まるでゼロ。この縛りが良かったんですね。これ(タイトル)で書くと、そんなに格好悪くないものができるかな、と。そっからです、歌謡曲一筋(笑い)」と、「少女A」は自身の人生を変えた「名刺代わりの」一曲となったとしみじみと語った。

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