スタレビ根本要「アクシデントあると燃える」ツアー絶賛の声に、がん治療で不在のメンバーVOHの反応は?

[ 2022年11月6日 19:00 ]

大阪市内でインタビューに応じた「スターダスト☆レビュー」の根本要
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 4人組バンド「スターダスト☆レビュー」の根本要(65)がこのほど、大阪市内でスポニチの取材に応じ、10月に開幕した3年に及ぶ全国ツアー「ブギウギ☆ワンダーレビュー」の手応えや見どころを語った。

 通算2500公演以上をこなす日本屈指のライブバンド。今ツアーは、パーカッション担当の林“VOH”紀勝(62)が喉頭がん治療のため約半年間ツアーを離脱するピンチに直面した。根本は「医師が半年で治せると言ってるし“しっかり休んで治してくれ”という思い。予期せぬ事が起こった時にどう自分たちらしく乗り越えるか。右往左往しても結局、現実を受け入れなきゃいけない。その上で何をするかが大事」と冷静だ。「アクシデントがあると燃えるタイプ。そういう事があった後のほうが僕らは成長できてる。三谷(泰弘)が辞めた時もだけど、スタレビを好きだから継続させるためにどうすればいいかをしっかり考えてる」と前向きに語った。

 VOHといえば、高音のコーラスも魅力だ。今ツアーでは、過去の音源からVOHのパーカッションとコーラスのデータを抜き出し、メンバーの生演奏に加える手法をとる。インタビューは、公演初日が終わった10月下旬に敢行。根本は「めっちゃ評判がいい」と手応えを得ていた。

 初日のオープニングでは驚きの体験をした。「イヤモニ(イヤホンモニター)が1曲目から機能しなくて、何だろうと思ったら拍手のせいだった」と笑う。「(新型コロナの制限解除で)客席が久々に100%収容できて立ち見も出て、もう半端じゃない拍手でイヤモニの音がふっ飛んだ。歓声があるならともかく拍手だけですよ。1分ぐらい何が起こった分からなかった。お客さんの熱量に面食らいましたね」と充実感をにじませた。

 「VOHいないけどスタレビを見に行こう、というお客さんの強い意志が反映されてたのかもね。何かを乗り越えようとした時って知らず知らずに力も入る。演奏する僕らもそうだけど」。VOHが欠けたピンチが、メンバーやファンの心を燃やしているようだ。 

 今回は特にアンコールに「圧巻」「参りました」など絶賛の声が上がっている。「目玉チャレンジ。たった1曲だけど、こん身の12分!自分で言うのもなんだけど、よくできてる」と胸を張った。中身は見てのお楽しみだが、「すっげー面白い」とのことだ。

 VOHにはリハーサルの音源などもずっと届けているという。「クオリティーにちょっとビビってるらしいよ。“俺がいないほうがいい出来なんじゃないの”って」と笑い、「ちょこちょこメールは来てます」と明かした。

 とはいえ、「メンバーが欠けるとアラは目立つ。それを払しょくしようと頑張り、いい刺激をもらってる」と根本。「俺たちがちゃんとしたものを作っておけば、VOHが帰って来てからさらにスケールアップできる。今のこの時期に改めてスタレビを再構築したというのかな。パーツが1個欠けたことで、残りのパーツ1個1個にちゃんと磨きをかけるっていうのかな」。VOHの帰りを万全の状態で待つべく、残るメンバーの奮闘は続く。

 《ツアーと同名のミニアルバム発売中》今ツアーは、ミニアルバム「ブギウギ ワンダー☆レビュー」をひっさげ、全国を回っている。同作は初期作品をビッグバンド風にアレンジし、懐かしくも楽しいジャズポップに仕上がった。「デビュー作を作ってる時の僕らはアマチュア。最初の1、2枚は非常にプロ意識が乏しいわけですよ。当時はそれで精一杯だったけど、今だと面白く遊べるんじゃないかなと思った」と根本。ツアー参加前にはぜひ聴いておきたい心躍る一枚。オリジナルと聴き比べるなどしても面白い。

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