「鎌倉殿の13人」全成&実衣ハグも2人のアイデア!新納慎也「感謝」宮澤エマとだから生まれた癒やし夫婦

[ 2022年8月8日 10:00 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第30話。常陸へ流罪となり、別れ際、実衣(宮澤エマ)を抱き締める阿野全成(新納慎也)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は7日、第30回が放送され、俳優の新納慎也(47)がコメディーリリーフとして抜群の存在感を発揮してきた僧侶・阿野全成の壮絶な最期が描かれた。妻・実衣役の女優・宮澤エマ(33)との絶妙なコンビネーションは視聴者の癒やしに。新納に宮澤への思いを聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第30回は「全成の確率」。源頼家(金子大地)に対して呪詛を行った疑いにより、詮議を受ける阿野全成(新納)。比企能員(佐藤二朗)は背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。夫・全成が権力闘争に巻き込まれた実衣(宮澤)は激怒。娘・実衣の追及に、北条時政(坂東彌十郎)は名乗り出ようとするものの、妻・りく(宮沢りえ)に止められる。北条義時(小栗)は北条家を守るため一案を講じ、畠山重忠(中川大志)の助力を得る…という展開。

 全成は八田知家(市原隼人)が治める常陸へ流罪。しかし、所領の再分配をめぐって頼家と対立した能員が「実衣殿の身が危うい」と焚きつけ、全成は再び頼家を呪詛。知家が頼家に報告し、討ち取った。

 流罪の前、監禁部屋。実衣は全成と抱き合う。

 実衣「(全成に呪詛を頼んだ)父上が許せない」

 全成「それは言うな」

 実衣「(涙を流しながら)なんで、あなた1人が貧乏くじを」

 全成「鎌倉殿を呪詛したことには間違いがないのだから、私はその罪を償う。それだけのこと」

 実衣「だけど…」

 全成「(首を横に振り)誰も、恨んではいけないよ」

 実衣「うん」

 全成「(実衣の髪を結んだ赤の飾りに)おまえは、本当に赤がよく似合うな」

 全成は知家に斬られる前、実衣を思い出し、最後の力を振り絞った呪文。突風、横殴りの雨、雷鳴。最後の最後に「人知を超えた力」を発揮した。

 新納は「共演者やスタッフの方々も全成さんを完全に北条家の一員として受け入れてくださっていて、もしかすると第30回は僕以上の思い入れを持って各シーン、各シーン、アイデアを出してくださいました」と感謝。全成が常陸に流罪となり、実衣と離ればなれになる場面。台本のト書きは「手を取る」だったが、宮澤は「私としてはハグをしたいんですけど、時代劇だと難しいんですか」という熱量。「実は僕も、あのシーンは手なんかじゃダメ、ハグじゃないと収まらないと思っていました。2人で(第30回演出の)吉田(照幸)監督に相談させていただきました」と明かした。

 別れ際、全成が最後に実衣に残した言葉は「誰も、恨んではいけないよ」。姉・政子への対抗心も相まって、実衣に芽生えた野心を全成も心配していた。「史実はともあれ、僕が演じた全成さんは、ただただ実衣ちゃんと平和に暮らしたかっただけなんですよね。自分が権力闘争に巻き込まれたから、こんな目に遭ってしまったということも踏まえて、実衣ちゃんには政治や権力から距離を置いて、平穏に暮らしていって幸せになってほしい。それが全成さんの切なる願いだったと思います」と振り返った。

 宮澤とは三谷氏作・演出のミュージカル「日本の歴史」(18~19、21年)でも共演。「舞台の兄妹役から今回は夫婦役。最初は照れくさかったりしましたが、公演を重ねる中で培った絶大な信頼関係がありましたから、何の心配もありませんでした。最後のハグのシーンが生まれたりしたのも、何でもざっくばらんに話し合えたからだと思います。僕がクランクアップした時、ご本人にもお伝えしましたが、実衣ちゃんが宮澤さんで本当によかった。全成さん・実衣ちゃんのほのぼのとした空気感も、宮澤さんだったからこそ作れたと心から感謝しています」。2人の共同作業の賜物だった。

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