「鎌倉殿の13人」“頼朝・大泉洋劇場”全開「あっ、そう!無用である」→再び強運→義時に弱音

[ 2022年6月12日 20:46 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第23話。怒りに震える源頼朝(大泉洋)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は12日、第23話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第23話は「狩りと獲物」。嫡男・万寿(金子大地)の披露目の場とするため、御家人を集めて富士の裾野で「巻狩り」を行うことを決めた源頼朝(大泉洋)。工藤祐経(坪倉由幸)が称賛する中、頼朝を憎む曽我十郎(田邊和也)五郎(田中俊介)兄弟らが謀反を計画。梶原景時(中村獅童)から企みを知らされた北条義時(小栗)は急ぎ、父・時政(坂東彌十郎)の元へと向かう。時政は五郎の烏帽子親だった。不穏な気配が漂う巻狩りには、義時の愛息・金剛(坂口健太郎)も…という展開。

 巻狩りとは、猪や鹿を仕留める大規模な狩りのこと。武士にとっては軍事演習の側面も持ち、坂東各地の御家人が富士の裾野に集結した。

 巻狩り3日目。弓が苦手な万寿のため“動かぬ鹿”を手配。ようやく初成果を挙げた。

 そして、5月28日、夜。祐経が比奈(堀田真由)の居場所を義時から聞き出し、頼朝は「これを最後(の逢引)にする」と安達盛長(野添義弘)の制止に耳を貸さない。盛長は頼朝が眠ったのを確認し、安心したが、これは祐経が身代わりになっていた。

 頼朝が比奈の宿所に入ると、義時の姿があった。

 義時「本当に来られるとは」

 頼朝「わしは征夷大将軍じゃ!そばめを持つのがそんなにいけないことか」

 義時「あなたというお人が分かりません。比奈殿と私を結び付けようとされたのは、ご自身ではないですか」

 頼朝「政子じゃ!あれが勝手に言いだしたこと。それにおまえ…比奈にはその気はないんだろう?」

 義時「そのようなことは申しておりません!良い方をお引き合わせくださったと思っております」

 頼朝「あっ、そう!おまえとおなごを取り合うのは、もう御免じゃ!帰る!」

 義時「お送りいたします」

 頼朝「無用である!」

 義時「お待ちください」

 怒り心頭の頼朝は比奈の宿所を飛び出したが、雨が降り始める。しかし、これが幸い。曽我兄弟による自分の寝所の襲撃を逃れた。

 頼朝は第7話(2月20日)でも、亀(江口のりこ)を見初めたため、亀の夫・権三(カミナリ・竹内まなぶ)と頼朝の命を狙う長狭常伴(黒澤光司)が争うことになり、命拾いした。

 頼朝は自分の身代わりとなった祐経を討った五郎を処罰した。

 義時「やはり、鎌倉殿は天に守られております」

 頼朝「そうだろうか。確かに、こたびも命は助かった。だが、これまでとは違った。今までははっきりと、天の導きを感じた。声が聞こえた。だが昨日は、何も聞こえなかった。たまたま助かっただけじゃ。次はもうない。小四郎、わしがなすべきことは、もうこの世に残っていないのか…」

 石橋山の“景時見逃し”から強運続きだった頼朝に陰りか。ついに弱音を吐いた。

 コミカルな前半からシリアスな後半へ。いつも以上の“大泉劇場”全開の回となった。

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