【前回の鎌倉殿の13人】第22話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「義時 上を向いて歩こう やればできる!」

[ 2022年6月12日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第22話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「義時 上を向いて歩こう やればできる!」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は12日、第23話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第22話(6月5日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第22話は「義時の生きる道」。源頼朝(大泉洋)の上洛が決まり、命に従って随行する北条義時(小栗)。大軍を率いて念願の京へと上った頼朝は、後白河法皇(西田敏行)九条兼実(田中直樹)と会談。今後の世の在り方を思い描く。そんな中、自分たちには利益のない上洛に、三浦義澄(佐藤B作)岡崎義実(たかお鷹)千葉常胤(岡本信人)らの不満が募る。一方、比企能員(佐藤二朗)は比企家の地位を盤石にするため、一族の比奈(堀田真由)を…という展開。

 川に取り残された孤児(みなしご)・鶴丸(佐藤遙灯)を救い、天に召された八重(新垣結衣)。義時最愛の妻の“最期の言葉”が盟友・三浦義村(山本耕史)の口から明かされた。

 義時「天罰だ」

 義村「そんなふうに考えるな」

 義時「何か、言ってなかったか。八重は最後に、何か」

 義村「そういえば、今思うと八重さん、あの日、気になることを」

 (回想)

 八重「私は、ちっとも悔やんでいません。十分楽しかったし、私はとっても満足」

 義時「八重がそう言ったのだな」

 義村「あの日は肌寒く、川遊びは思うようにはできなかったが、子どもたちは楽しそうだった。八重さんが言ったのは、そのことかもしれないし…」

 義時「そうではないと思いたい」

 夜。義時は愛息・金剛(森優理斗)に語り掛けた。

 「よいか、金剛。鶴丸を恨んではならん。鶴丸を憎む暇があるのなら、その分、母を敬え。母のしてきたことを思い出すのだ。父が、おまえを育て上げてみせる」

 その後、金剛と安達盛長(野添義弘)の息子・弥九郎(渡部澪音)がケンカ。義時は「どんな訳があっても、手を出してはならぬ。なぜか分かるか。おまえが北条の一族だからだ。北条は他の御家人よりも立場が上。だからこそ、慎み深くならねばならぬ」と諭した。

 館に帰ると、鶴丸が出迎え。「金剛は私を守ってくれたのです。弥九郎が孤児とからかったのです。金剛は私の代わりに(弥九郎を)殴ってくれたんです」。金剛は鶴丸を恨んでなどいなかった――。義時は“よくやった”と金剛の頭をなで「遅くなった。夕げにしよう。腹もすいたろ」と鶴丸も抱えて館に入っていった。

 一方、御家人たちに再び不穏な動き。

 曽我十郎(田邊和也)五郎(田中俊介)兄弟が父・河津祐泰(山口祥行)の敵・工藤祐経(我が家・坪倉由幸)を討つと、五郎の烏帽子親・北条時政(坂東彌十郎)に申し出る。その裏には頼朝暗殺計画があった。「坂東を揺るがす曽我事件の始まりである」(語り・長澤まさみ)――。

 今回の“大河絵”は八重の“忘れ形見”金剛と鶴丸との道を歩む義時、子どもたちの世話を手伝い「やればできる!」と励ました仁田忠常(ティモンディ・高岸宏行)を表現した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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