連盟会長の佐藤康光九段、棋王戦で永瀬王座に敗れ敗者復活戦へ 挑決2番勝負進出かけて郷田九段と対決

[ 2021年12月6日 20:41 ]

佐藤康光九段
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 日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(52)が6日、東京・将棋会館での第47期棋王戦挑戦者決定トーナメントで永瀬拓矢王座(29)に133手で敗れ、敗者復活戦へ回ることになった。郷田真隆九段(50)との50代対決に勝てば、挑戦者決定2番勝負へ進出する。先に挑戦者決定2番勝負進出を決めた永瀬は2番勝負で1勝、敗者復活戦から勝ち上がる佐藤か郷田は2勝が渡辺明棋王(37)=王将、名人の3冠=との5番勝負進出に求められる。

 永瀬の先手で戦型は後手佐藤の中飛車。角桂交換からお互い手駒にして攻めの機をうかがうじっくりした将棋になった。金銀4枚による堅陣を敷いた永瀬に対し、佐藤は2枚。王頭戦で優位に立った永瀬がリードを広げていった。「作戦負け。長期戦になったら苦しいと思った」。厚みを生かし切った永瀬の指し回しを佐藤は称えた。

 佐藤がタイトル戦に接近するのは7月の王座戦挑戦者決定戦以来。木村一基九段(48)に敗れ、2013年に失冠した本社主催・王将戦以来のタイトル戦出場を逃した。現在全8冠のタイトルホルダーは渡辺が最年長。藤井聡太竜王=王位、叡王、棋聖含む4冠=が19歳で快進撃を繰り広げる一方、その父親世代の佐藤も衰えぬ存在感を発揮している。

 来年2~3月開催の5番勝負進出となれば、連盟会長がタイトル戦出場するのは1986年名人戦の大山康晴十五世名人以来36年ぶり。大山は当時63歳だった。連盟会長を降りた後の1990年、66歳で出場した棋王戦が最後のタイトル戦となった。

 スポーツ界を見渡せば競技団体のトップが元選手である例は数多いが、現役でしかもトッププレーヤーである例は唯一無二と言えそうだ。佐藤も名を連ねる「羽生世代」。その中心的存在の羽生善治九段(51)は昨年の竜王戦に挑戦者として出場したが、佐藤もそれを上回る充実ぶりと言えそうだ。

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2021年12月6日のニュース