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海老蔵単独インタビュー「自分は海老蔵のままでいい」息子のために「團十郎」へ、早く「新之助」あげたい

[ 2021年12月6日 05:30 ]

満面の笑みを見せる市川海老蔵(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(44)が自身の子供2人と出演する新作歌舞伎「プペル~天明の護美人間~」(来年1月3~20日、東京・新橋演舞場)への意欲をスポニチ本紙に語った。夢を持つことの大切さがテーマの作品。大名跡・市川團十郎白猿の襲名が延期される中で「自分は海老蔵のままでいい」としながらも、息子の夢のため無事に襲名興行が開催できることを願った。(吉澤 塁)

 これまで童話「桃太郎」や映画「スター・ウォーズ」などさまざまな作品を歌舞伎化してきた海老蔵。今回新たに挑戦した題材はキングコング西野亮廣(41)が手がけたベストセラー絵本「えんとつ町のプペル」だ。「夢を持つことの尊さ」が作品の主題。後に映画化され、それを見て物語にほれ込んだ。今作では長女の市川ぼたん(10)と長男の堀越勸玄(かんげん)くん(8)がダブルキャストで出演する。「2人は同じ舞台に立つライバルですから、バチバチです。家でも芝居に関しては互いに負けたくないと言い合っているし、凄く良いことだと思う」と子供たちの成長に目を細めた。

 ぼたんはすでに舞踊家として活動。現在放送中の日本テレビの連続ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」にレギュラー出演するなど幅広い活躍を見せている。一方、勸玄くんに関しては、2020年5月に予定されていた「十三代目市川團十郎白猿」および、勸玄くんの「八代目市川新之助」の襲名興行が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっており、襲名できずにいる。

 「それが勸玄には悔しいんです。ぼたんは舞台にもテレビにも出て、名前も持っているから。だからきっと、心にたまっているマグマのようなものが噴き上がって120点の芝居をしてくれる。それを僕が認めてあげられるかが大事なんです」

 現状、襲名興行の予定は発表されていない。「自分は海老蔵のままでも良いんです。だって皆が海老蔵の名前を知っているから。市川團十郎は歌舞伎界で最も大きな名前ですけれど、冷静に考えると名前を変えるメリットは意外とないんですよね」。芸に全力で取り組み「海老蔵」という名前を世に広く認知させたことへの誇りものぞかせた。

 「ただ息子には“市川新之助”という歌舞伎役者の名前を早くあげたい」。新之助を名乗ることは、勸玄くんの「立派な歌舞伎役者になる」という大きな夢の一歩につながる。「新之助、海老蔵、團十郎。名前にはそれぞれ器がある。その器に入ることは大きな意味があるんです」と意義を強調した。自身が大名跡・團十郎白猿を襲名することも成田屋の芸の継承と発展につながっていく。

 夢を持つことの大切さを描く今作。夢について聞くと、スマートフォンを取り出し小学6年生時に執筆した文集を朗読。「将来は、立派な歌舞伎役者になりたい」。読み終えると「ほぼ(夢が)かなっちゃっているよね」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 だからこそ自分のこと以上に、2人の子供が夢をかなえられる環境づくりにまい進する。高校時代に出演した舞台「天守物語」では苦い思い出がある。「自由な演技を求められるシーンがあったんです。歌舞伎になじんでいた僕は何もできなかった。当時のプライドで自分を許せなかった」と振り返る。

 その経験を踏まえ、子供たちには舞台やテレビの仕事などさまざまな選択肢を与えている。何を選ぶかの判断は2人に委ねている。「子供たちには、若いうちにいろいろな経験をしてもらいたい」。そう語る海老蔵の目は、市川宗家を担う当主としての覚悟と、父親としての優しいまなざしにあふれていた。

 ≪歌舞伎「プぺル」で親子共演≫原作は空が煙に覆われた町を舞台に、少年ルビッチと、ゴミ人間プペルが心を通わせ、星の見える空へ旅に出るファンタジー作。今作では舞台を江戸時代に置き換えて上演される。ぼたんと勸玄くんはプペルの友達を日替わりで演じる。一方、海老蔵はプペルと父親、敵役の3役を務める。「我が家に例えると、父親が妻の麻央なんです。その魂が乗り込んだプペルが今の僕。それを邪魔するのも僕なんです」と役どころを語った。

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