球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

オリオールズの異色再建ロード まずはフロント改革から

[ 2019年3月3日 05:30 ]

 オリオールズは、レッドソックス、ヤンキースの牙城、ア・リーグ東地区で3年に1度程度のペースでポストシーズンに進出する老舗球団だ。ところが昨季は47勝115敗、首位レ軍から61ゲーム離される大敗。チーム再建をフロント部門から始めたのが異色だ。

 直近8年半のオ軍の野球は、バック・ショーウォルター監督の経験と頭脳で戦う伝統的スタイル。この間、3度ポストシーズンに進出したこともあり、新しいデータ野球に目を向けなかった。今では常識のデータ分析部門も専門の人員も持っていない。この弱点をデータ野球で先行した球団で実績を上げた専門家をヘッドハンティングして解消した。まず、アストロズのGM補佐だったマイク・エライアス氏(36)をGMに招いた。新GMは、自分の右腕でNASA(米国航空宇宙局)から球界に転じた異色の経歴を持つシグ・メジャル情報分析担当の同行を望みGM補佐にした。

 ア軍のジェフ・ルノーGMは引き抜きに困ったはずだが、自身もカージナルスGM補佐からア軍GMに転じた移籍組。その時同行したのがエライアス、メジャル両氏の部下だった。球界には「昇進での引き抜きには応じてやれ」との慣例がある。ルノーGMはそれに従った。

 カージナルスからアストロズに、そしてオリオールズにつながれるデータ野球。今のオ軍はエライアスGM、メジャルGM補佐がア軍に移ったときに似ている。メジャーもファームも悲惨な状態だ。最下位アストロズがワールドシリーズに勝つまで7年かかった。上から下へと建て替えるオリオールズのチーム大改造、今季の選手を集めながらの戦いが見ものだ。 (野次馬)

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