星稜、3年ぶり21度目聖地に“名将の息子”山下智将監督男泣き 名誉監督の父から「ありがとう」

[ 2022年7月26日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権石川大会決勝   星稜4―3小松大谷 ( 2022年7月25日    石川県立 )

<星稜・小松大谷>3年ぶりの優勝を決めマウンドに集まる星稜ナイン
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場校を決める地方大会は25日、各地で行われた。8大会で決勝が行われ、石川大会では星稜が山下智将監督(40)の下、準優勝した19年以来3年ぶり21度目の出場権を獲得した。

 星稜が劇的な結末で3年ぶりの夏切符を手にした。1点優勢の9回2死二塁の守備。左安打を処理した津沢泰成外野手(3年)が本塁への好返球で二塁走者を刺してゲームセット。優勝が決まると、山下監督は肩を震わせて男泣きした。

 「生徒たちが“先輩たちの分まで”という思いを持って戦ってくれた。ホッとしています」

 コロナ下の一昨年の夏には、甲子園大会が中止。昨夏はチーム内にコロナ陽性者が出たため、準々決勝を辞退して不戦敗となっていた。その日々を思い返し、胸を詰まらせた。

 思わぬ形で夏の指揮を執ることになった。今年3月限りで前任の林和成監督が退任。4月に就任した田中辰治新監督が体調不良で休養したことで、5月末から代行監督を務めるようになった。当初は方向性が定まらず、今春選抜8強のチームが練習試合ではほとんど敗戦。2人に比べて経験がないと謙遜するが、選手の長所を伸ばそうという意識で指導に当たった。父は星稜を春夏通じて25度の聖地に導いた山下智茂名誉監督。試合後には「よう我慢したな。ありがとう」とねぎらいの言葉をかけられた。

 因縁の相手との一戦だった。小松大谷戦。14年夏は決勝で0―8の9回裏に9点を挙げ奇跡的な逆転サヨナラ勝利。翌15年は準々決勝で3―0の9回裏に4点を奪われリベンジを許した。いずれも部長として激闘を見届けており、対戦が決まった前日には「後攻が良い」と直感。先攻後攻を決めるジャンケンに臨む佐々木優太捕手(3年)に“必勝法”を授けていた。「最初はパーであいこになる。次からはチョキを続けよう」。狙い通りにチョキで勝ち、試合前から勝負師としての勘を発揮。チームのモットーは「耐えて勝つ」。9回まで3者凡退が一度もない苦戦を耐え抜いたナインとともに、山下監督が甲子園に乗り込む。 (石丸 泰士)

 ▼星稜・津沢泰成外野手(3年、3回の決勝打を含む3安打。9回は勝利を決める好返球)8回は自分がホームでアウトになっていたので、打球が飛んできたら絶対に刺してやろうと思っていた。

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