創志学園 長沢監督の最後の夏に4年ぶり3度目聖地切符「本当に弱いチームがここまで成長。感慨深い」

[ 2022年7月26日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権岡山大会決勝   創志学園2―0倉敷商 ( 2022年7月25日    倉敷マスカット )

<倉敷商・創志学園>優勝を決め長沢監督(前列中央)と一緒に記念撮影する創志学園ナイン(撮影・内田 雅也)
Photo By スポニチ

 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場校を決める地方大会は25日、各地で行われた。8大会で決勝が行われ、岡山大会では創志学園が長沢宏行監督(69)の最後の夏に4年ぶり3度目となる聖地切符をつかんだ。

 創志学園・長沢監督は完封したエース・岡村洸太郎(3年)が差し出したウイニングボールを「これは持っておけ」と突き返した。岡村は「長沢監督とはまだまだ一緒にできる。甲子園のボールを手渡したい」と話した。

 今夏限りで退任する長沢監督と一緒に甲子園へ――が合言葉だった。岡村は1年冬、上手から横手投げへフォーム修正を助言してもらった。「横に変えてから球威も増した。自分の恩師です」。120キロ台だった球速が今は145キロを出す。

 山口市出身。小学生時代に見た西純矢(現阪神)の活躍で野球留学を決めた。オフに母校で自主トレする西純の姿に「オーラがあった。憧れです」。進路は未定だがプロも視野に入ってくるだろう。

 長沢監督は「選手たちに感謝しかない」と目を赤くした。「複雑な思いで大会を迎えた。でも主役は選手です」。涙をこらえた。

 5月、新チームから元東海大相模監督で春夏5度優勝に導いた門馬敬治氏(52)の就任が発表された。10年の創部から携わってきた長沢監督の総決算の夏だった。「史上最弱」と呼ばれた世代という。「1年生大会も負け、本当に弱いチームがここまで成長した。感慨深いですよ」

 相手の倉敷商には昨年夏、準決勝で敗れていた。日体大先輩で元智弁和歌山監督の高嶋仁氏(76)が電話で「夏はどこも必死だ。もっとやれ!」。その日の練習から情熱を込めた。昨夏の敗戦をボールボーイで目に焼き付けた岡村は「1球の甘い球で負ける」と厳しさを学んだ。今夏5試合をほぼ1人で投げ抜き約束を果たした。 (内田 雅也)

 ▼阪神・西純矢(18年夏に2年生エースとして甲子園出場)長沢監督の最後の夏ですし、ぜひ甲子園に出場してほしいとずっと思っていました。エースの岡村君を中心に、チーム一丸となって戦い抜いた姿はとても感動しました。甲子園でも思う存分、楽しんでほしいです。

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月26日のニュース