有田工 佐賀で21年ぶり春夏連続出場 1球ごとに左右打席変えた“キーマン”山口負傷でナイン奮起!

[ 2022年7月26日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権佐賀大会決勝   有田工3―2神埼清明 ( 2022年7月25日    佐賀県立 )

高校野球佐賀大会決勝<有田工・神埼清明>甲子園出場を決めスタンドの応援団に向かってガッツポーズする有田工ナイン(撮影・岡田 丈靖)        
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 佐賀大会で決勝が行われ、有田工が神埼清明を3―2で下し、9年ぶり2度目の優勝を果たした。7回に犬塚康誠外野手(2年)の決勝打などで3点を挙げて逆転し、01年の神埼以来となる県勢21年ぶりの春夏連続出場を決めた。

 勝利の瞬間、有田工ナインは喜びを爆発させた。梅崎信司監督は膝から崩れ落ちて男泣き。「夏の甲子園は大きな目標だった。いろいろな思いがこみ上げてきた」と感慨深げに語った。

 ゼロ行進を続けた打線が2点を追う7回につながった。1番・塚本侑弥(3年)の適時打など3連打、犠飛で同点に追い付き、なお2死一、二塁のチャンス。5番・犬塚が二遊間をしぶとく破る中前適時打を放ち、勝ち越した。犬塚は「とにかくランナーを還す気持ちだった」と執念の一打を振り返った。

 初出場だった今春選抜では国学院久我山の前に2―4で初戦敗退した。全国レベルとの打力の差を感じ、佐賀に戻ってからは毎日500スイング、ティー打撃などで打撃向上を図った。今大会は準々決勝の佐賀学園戦で11得点するなど、5試合で29得点と成果を出した。

 負けられない理由があった。準決勝で1球ごとに左右の打席を変えて話題になった正二塁手の山口洸生(3年)が左肩亜脱臼のために欠場。山口洸のバットを借りて臨んだ犬塚は「俺の分も打てと言われた」と3安打で期待に応えた。そして昨年は3回戦で敗れた神埼清明に雪辱。梅崎監督から「去年の3年生のリベンジを絶対に果たすぞ」とナインは鼓舞され、上原風雅主将は「選手みんな気合が入っていた。卒業した先輩にとっても、自分たちにとっても良かった」と話した。

 目指すは春に成し遂げられなかった甲子園1勝だ。犬塚は「有工らしい粘り勝つ野球をして、地元に元気を与えたい」と意気込んだ。 (杉浦 友樹)

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2022年7月26日のニュース