阪神・北條 今でも祝福メール…引退の弟分にも贈ったアーチ 2位・巨人に0・5差肉薄

[ 2022年7月16日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-1中日 ( 2022年7月15日    甲子園 )

<神・中>2回1死二塁、逆転の2点本塁打を放ち、ナインとハイタッチをかわす北條(撮影・北條 貴史)
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 阪神・北條史也内野手(27)が15日の中日戦で昨年4月22日巨人戦以来、甲子園に限れば20年7月21日広島戦以来、724日ぶりの本塁打を放った。1点を追う2回1死二塁から左翼席へ。殊勲の逆転弾で10年目にして初の先発一塁での起用に応えた。3連勝へ伸ばし、開幕3連敗以来の借金3まで挽回。広島と並ぶ3位浮上で、ついに2位・巨人に0・5ゲーム差まで肉薄した。

 4番を任され、聖地でアーチを架けた。世代屈指の遊撃手として、黒土を駆け回った。「光星学院の北條」として輝きを放った夏から10年。打順は7番、託された一塁は通算7試合目で、先発はオープン戦を含めても初めてだ。見慣れない景色への戸惑いより、試合に出られる喜びがはるかに上回った。

 「久しぶりのスタメン起用なので、絶対に爪痕を残してやろうと思っていた。コロナで大山が抜けて誰が出るか分からない状況。何かしらやってやろうという気持ちだった」

 2回1死二塁。追い込まれてから内角に来た上田の140キロに対して体を巧みに回転させ、左翼ポール際へ放り込んだ。逆転で決勝の1号。「確かに…。去年打っていない」。2年ぶり甲子園弾の余韻が両手に残った。

 「何とか反応で打った。その前にチェンジアップを空振りして、三振だけはダメと思った。近本に“7番はチャンスで回ってくるから、その1本でいい”と言われていた。最高の結果。チャンスで本塁打が一番最上級」

 先月9日。1歳下で現役時代に仲が良く、脳腫瘍を患って19年限りでユニホームを脱いだ横田慎太郎氏に1通のメールを送信した。「誕生日おめでとう!もう27歳でおっさんなんだから、彼女くらいつくれよ~」。兄貴分らしさ全開の文面で、毎年祝福を忘れない。引退時に固めた「僕がヨコの分まで頑張ります」という決意の表れか、今年はひと月遅れの豪快なプレゼント。歩む道は違えど、弟分を思う気持ちは変わらない。

 列島各地では高校野球の地方大会が真っただ中。15歳で大阪の親元を離れ、遠く青森の地で白球を追った頃が懐かしい。当時目指した聖地がいまは職場。節目の10年目で、29日には28歳を迎える働き盛り。たった1本で満足できるわけがない。

 「トレーナーの方には(昨秋の左肩)手術してから、お世話になっている。もっと打って恩返ししたい」

 16日は難敵・大野雄との激突。出番もあるだろう。復活を遂げつつある夏男が打てば、猛虎は盛り上がる。2位浮上は、もう目前だ。(八木 勇磨)

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2022年7月16日のニュース