近づく「投手・根尾」の次のステップ 転向表明から1カ月で目覚ましい成長

[ 2022年7月16日 08:30 ]

15日、阪神戦の7回、3者凡退に切って取り、グラブを叩く中日・根尾(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 中日・根尾が投手転向を表明してから1カ月が過ぎた。7月15日現在、外野登録で登板した3試合も含めて9試合に登板。7回2/3を投げ、被安打5、与四球2、2失点、5奪三振、防御率2・35と安定した成績を残し、7月1日の阪神戦ではプロ初ホールドもマークした。

 この1カ月間の成長は目覚ましいものがある。転向前に150キロだった自己最速は15日の阪神戦で153キロをマーク。球種も初めは直球とスライダーだけだったが、フォーク、ツーシーム、カーブと徐々に増えていった。

 特に最近のマウンドさばきを見ていると、次のステップが近づいているなと感じる。

 7月15日の阪神戦では1点劣勢の重要な場面で甲子園のマウンドに立ち、打者3人をピシャリと抑えた。先頭打者・糸原の初球にいきなり自己最速を更新する153キロを投げ込むと、続く山本には直球とスライダーが高めに抜けボールが3つ先行しながら、すぐにマウンドで修正し、低めに150キロ超の直球を3球集めて二飛。北條の初球には低めに外れたが、123キロのカーブで緩急を付け、最後は153キロで二ゴロに仕留めた。

 14球のうち、直球は10球で全て150キロを超えた。球速が安定しているのは投球フォームが固まってきている証拠だ。走者がいる場面でのけん制やクイックはこれからの課題といえるが、同じ救援陣の清水らにもアドバイスをもらってレベルアップに努めている。

 立浪監督は将来的には先発として育てる意向を持っている。打者の目先を変えるカーブや、バットの芯を外して打ち取るツーシームの実戦投入も、長いイニングを投げるための準備に違いない。当初、指揮官は「球数も増やしていきながら、最後の方で1回、2回でも投げられれば」と青写真を描いていたが、もっと早いかもしれない。(記者コラム・中澤 智晴)

続きを表示

2022年7月16日のニュース