エンゼルス・大谷、今季最速163キロ出た!5戦ぶり白星 「縦振り」回帰で直球&スプリット切れ復活

[ 2022年6月11日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―2レッドソックス ( 2022年6月9日    アナハイム )

<エンゼルス・レッドソックス>6回、ピンチをしのいだ大谷は派手にガッツポーズ(撮影・篠原岳夫)
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 試合の流れを左右する局面。エンゼルスファンと、敵地でも熱狂的なレッドソックスファンの大歓声が球場に響いていた。自身の逆転2ランで2―1とした直後の6回1死二塁、フルカウント。電子機器「ピッチコム」を使用して音声でサインを交換したエンゼルス・大谷は、周囲の音を遮るようにグラブを耳にかぶせ、3度も首を振った。

 「先発投手が最初に崩れてしまうと、なかなか野手が勝つイメージが湧かない。そういう意味では粘れたのは良かった」

 耳を澄ませ、ようやく首を縦に振ったのは4度目。4番バードゥーゴに対し、8球目に選んだのは縦に鋭く落ちるカーブだった。ワンバウンドで空振り三振。続くバスケスには四球を与えたが、コルデロを遊ゴロに仕留めた。7回4安打1失点。5月5日の同じレ軍戦以来、登板5試合ぶりの白星となる4勝目を挙げた。

 「(連敗を)自分が止めるという気持ちでマウンドに上がった」と気合十分で臨んだ。3回2死三塁、2番ディバースを今季最速101マイル(約163キロ)直球で空振り三振。5回無死一、三塁から中犠飛で先制を許したが、後続を断った。100球は今季最多。最後は7回2死から空振り三振を奪い、吠えながら右拳を握りしめた。この日、8度目のガッツポーズだった。

 1カ月以上、結果が出なかった原因は「(投球フォームの)メカニック的な問題」と分析した。キャッチボールから見つめ直し、8日のブルペンでは直球とスプリットのみを25球。スライダーを多投した影響で「横振り」になっていた体の動きを「縦振り」に修正し、直球とスプリットの切れが戻った。6三振中、5三振は直球とスプリットで奪った。

 「どんどんストライクゾーンを攻めることができた。効果的に全ての球を使え、バランス良くいけたのも良かった」。バット同様、マウンドでも「SHO TIME」復活を印象づけた。(笹田幸嗣通信員)

 ▽ピッチコム 不正なサイン盗み防止のため、今季から導入された電子機器。捕手がレガースや前腕に装着し、9つのボタンで球種やコースなどを選択すると、帽子の中に装着した受信機に録音済みの音声で伝えられる(現在は英語、スペイン語に対応)。投手と最大3人の野手が指示を受けることができ、使用は強制ではなく個々の自由。大谷は5月26日のブルージェイズ戦から走者を二塁に置いた時のみ使用している。

 ▼エンゼルス・スタッシ(大谷の今季10登板中、8登板でバッテリー)今日は1球目からロックオンされていた。初球の98マイル(約158キロ)でいけるぞと思った。一球一球、集中力を切らさなかった。

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2022年6月11日のニュース