日本ハム・石川亮 2ランスクイズ成功の裏にあったビッグボス野球の「真意」

[ 2022年6月11日 22:15 ]

交流戦   日本ハム10―0中日 ( 2022年6月11日    札幌D )

<日・中>5回、犠打を決めた石川亮(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの石川亮捕手(26)が、ビッグボス野球の「真意」をつかんだ。11日の中日戦で「8番・捕手」で先発出場。3―0で迎えた5回に1点を加え、なお1死二、三塁で相手の意表を突く2ランスクイズを成功させた。「ここ数年で一番緊張したんじゃないかな」と、苦笑いで振り返るも「びっくりしたのが、普段から準備ができていれば『失敗できない』とかそういう気持ちにならないということ」と振り返った。

 今季、新庄監督は足技を絡めた相手の意表を突いた采配を何度も振るってきた。この日もスクイズは、カウント1ボール2ストライクから。ファウルでスリーバント失敗、空振りならダブルプレーの恐れもある。重圧のかかる場面でも、石川亮は「『やばい、ここでスクイズか』という感じではない。『よっしゃ、ここで来たか』と。成功する時はこういうメンタルなんだなって学べました」とうなずいた。

 今春のキャンプからオープン戦を通し、新庄監督は足技を絡めた戦術理解を全選手に求めてきた。選手も意表を突いたサインに対応できる準備はしてきたが、それ以上に指揮官の環境作りが成功率を上げる一助となっていると石川亮は言う。「よく『ミスを恐れるな』と言うじゃないですか。でも、ミスを恐れない環境を作ってもらえなければ結局、選手は萎縮してしまう。ボスはその環境を作るのが上手い」

 新庄監督は消極的なプレーを責めることはあっても、積極的にプレーした上でのミスをとがめることは絶対にしない。だからこそ「若くても1軍の舞台でプレーできる選手が増えてきた」と石川亮は言う。「もちろん、失敗して落ち込むこともあるが、それがすごくいい方向に出ているのかなと思いますね。現に僕がそうだった。(スクイズが)できる気がしたので」と、振り返った。

 「それがボスが広げていきたい、野球の可能性なのかな。チームに浸透してきていると思う」。“新庄マジック”にかかった選手たちの覚醒は、これから始まる。

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