エンゼルス・大谷“独り舞台”連敗「14」で止める投打大暴れ 登板試合で決勝弾は自身初

[ 2022年6月11日 02:31 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―2レッドソックス ( 2022年6月9日    アナハイム )

<エンゼルス・レッドソックス>5回、大谷は逆転2ランを放ち何度もガッツポーズ(撮影・篠原岳夫)
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 文字通りの独り舞台で、長く暗いトンネルを脱出した。エンゼルスの大谷翔平投手(27)は9日(日本時間10日)、「2番・投手兼DH」でレッドソックス戦に出場。打っては5回に12号逆転2ランを放つなど2安打2打点、投げては7回4安打1失点で4勝目を挙げた。登板試合の決勝アーチは自身初めてで、球団ワースト記録を更新中だったチームの連敗を14で止めた。

 一塁を回ったところで、大谷は珍しくガッツポーズを2度繰り出した。二塁を回ってからも1度。自身の失点を自らのバットで取り返した。投球中も含め、この試合で繰り出したガッツポーズは8度。連敗阻止に燃えるナインを鼓舞した。

 「みんな勝ちたい気持ちはある。なかなか投打がかみ合わないとか、そういうストレスがたまる中で、もっと早くこういうふうにできれば良かった」

 0―1と先制された直後の5回1死一塁。右腕ピベッタの3球目、92マイル(約148キロ)直球を強く振り抜いた。左中間への逆転2ラン。登板試合でのアーチは今季初めてで、決勝弾は米移籍後初となり「ああいう時は流れを変える長打や本塁打しかないので、その意味でも良い仕事ができた。なかなか自分の(投げる)時に打てないので、もっともっと自分で自分を楽にできるように」と話した。

 7日にジョー・マドン監督の解任が発表されるなど、泥沼の14連敗中は打率・191、2本塁打、4打点と、大谷のバットも湿っていた。トラウト、レンドン、ウォードら軸になる他選手も故障で不在の苦境下で、10試合45打席ぶりの一発。ノーアーチの間は15三振を喫し、相手バッテリーから高めの直球と低めのチェンジアップで攻められていた。高めの直球を仕留めた価値は大きい。

 7回には左腕デービスの初球スライダーを右前打。本塁打の打球速度104・4マイル(約168・0キロ)に迫る、104・1マイル(約167・5キロ)の痛烈な当たりだった。マルチ安打も10試合ぶり。「必ず好不調の波はありますけど、なるべく(悪い)波を小さくして好調を維持していくことが大事」と誓った。

 球団史に残る屈辱の連敗街道に、大谷が打って投げて終止符。「ホッとしました。長かったですけど、(勝つことは)やっぱりいいものだと思います」と16日ぶりの白星をかみしめた。試合後のクラブハウスで選手たちは地響きのような大声を上げながら喜び合い、試合中に険しい表情を崩さなかった大谷にも笑顔が戻った。「これから14連勝以上できるように頑張りたい」。雪辱のための舞台は、まだ103試合も残っている。(笹田幸嗣通信員)

 ≪9戦44打席ブランク≫大谷は12号逆転2ランを放つまで9試合&44打席連続で本塁打が出なかった。メジャーでのノーアーチ期間の最長は19年7月28日~8月17日の18試合&73打席連続。今季最長は4月17~27日の10試合&46打席連続だった。

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