“幻の大役”舞台で快投!阪神・青柳、リーグトップタイの7勝目 交流戦3戦で驚異の防御率0.00

[ 2022年6月11日 05:30 ]

交流戦   阪神6-1オリックス ( 2022年6月10日    京セラD )

<オ・神>バランスを崩しながらも投球する青柳 (撮影・成瀬 徹)
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 もはや「7回無失点」のハイパフォーマンスにも驚かない。青柳は、当たり前のようにスコアボードに「0」を並べていった。

 「初回は慎重になりすぎたけど、ゼロで帰れて良かった」

 立ち上がりに背負った1死一、二塁が最初で最後のピンチだった。杉本、マッカーシーの中軸を封じて先制点を阻止すると、相手打線は手も足も出なくなった。7回2安打の好投でリーグトップタイの7勝目。コロナ感染で実現しなかった開幕投手として立つはずだったマウンドでチームの連敗を2で止めたる価値ある白星を手にし、防御率も0・89まで良化した。

 5月27日のロッテ戦で佐々木朗との投げ合いも期待されたが、中7日登板(同28日に先発)となったためニアミスに終わった。「正直、投げ合いたかったですよ」。投手戦を演じることはもちろん、ひそかに楽しみにしていたのは“打者”として令和の怪物と向かい合うことだった。「欲を言えば、打席に立ちたかったです。全然イメージができないような球を投げているので純粋に見てみたいなと。すごい打者でも当たらない、振り遅れるのはどんなボールなんだろうと」。「セ・リーグの良い所」と打席で他球団のエース級の球筋を目にして「学び」と「収穫」を手にしてきた男の、今年の交流戦での唯一の“心残り”だった。

 交流戦は3試合に登板して3勝、防御率は堂々の0・00だ。15年のメッセンジャー以来とリーグ戦同様の無双ぶりで「セのエース格」として存在感を発揮した。「交流戦で(防御率)0というのはランディがやったのは知っていた。本当にランディみたいなエースになりたいので、達成できて良かった」。伝説の助っ人右腕に負けず劣らずの存在感と絶大な力が今の青柳にはある。 (遠藤 礼)

 【データ】青柳(神)が7回無失点で7勝目。今季の交流戦は3試合で23回2/3を投げて自責点なし。交流戦の規定投球回(チーム試合数と同数)以上で防御率0.00なら、15年に24回無失点のメッセンジャー(神)に次いで2人目となる。また、今季は加藤(日)も19回無失点で交流戦防御率0.00の条件を満たしている。

 《解説の野茂氏も絶賛「なかなか打たれへん」》
 カンテレの中継でゲスト解説を務めた野茂英雄氏は、試合後に古田敦也氏とともに青柳へインタビューした。野茂氏は「面白いようにツーシームが決まるから、今めちゃくちゃピッチングが面白いんじゃないの。あれが低めに決まったらなかなか打たれへんと思う」と青柳の投球を絶賛。一方で青柳は古田氏に「(現役時代チームメートの)高津さんも左打者を抑えていたイメージがあるんですけど、どうやって抑えていたんですか」と逆質問するなど貪欲だった。

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