北海が春夏連続の聖地 150キロ腕・木村苦しみ6回6失点で降板 仲間に助けられ逆転勝利に涙

[ 2021年7月28日 05:30 ]

全国高校野球選手権南北海道大会決勝   北海8ー6札幌日大 ( 2021年7月27日    札幌円山 )

<北海・札幌日大>春夏連続甲子園を決め喜ぶ北海(撮影・竹内敦子)
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 北海のプロ注目の最速150キロ左腕、木村大成(3年)が苦しみながらも春夏連続甲子園出場を決めた。決勝に先発したが、6回8安打6失点で降板。右翼に回り、終盤8回の逆転で甲子園が決まると、校歌斉唱時に何度も涙をぬぐった。「自分が(6回に)逆転されて申し訳ない気持ちが強くて…。(救援で3回無失点の)吉野(龍生=3年)や野手のみんなが頑張ってくれた。ありがとうの思いで涙が出た」。全国最多を更新する39度目の甲子園。仲間に感謝した。

 147球完投した26日の準決勝(対北海道栄)からの連投。春季北海道大会優勝の札幌日大打線から5回で9三振を奪ったが、ボールを見極められて89球を費やした。さらに左太腿裏がつった。6回に6長短打での4失点で一時逆転を許してマウンドを託した。

 決勝を前に、気持ちが改まった。26日、旭川実のプロ注目の最速148キロ右腕、田中楓基(3年)からLINEが来た。足がつるのを回避するために試合前日にマグネシウムやカルシウムを取るといいというアドバイス、そして「明日頑張れよ」の言葉があった。「ありがとう、頑張るわ」。北北海道大会1回戦で敗れて“夏”を終えた旧知の田中のエールに、そう返信した。急きょとあってサプリメントは用意できなかったが、うれしい心遣い。「(甲子園は)自分たちのためにも勝つけど(負けた)チームのためにも全力で」と意を強くした。

 最後の夏。「勝とう、と思いすぎて自分の心がコントロールできなかった」センバツ初戦敗退の苦い経験を無駄にしない。南北海道大会1回戦(対苫小牧中央)で自己最速150キロをマークした今大会注目投手の一人は、全国の好投手との対決に「楽しみたい気持ち。相手を気にせずに自分の投球ができるように準備したい」と目を輝かせた。今年は創部120周年。木村は「今日(の決勝)は貢献できなかったので、甲子園で恩返ししたい」と仲間と挑む勝負の舞台を見据えた。

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2021年7月28日のニュース