初の決勝進出の明豊、南こうせつが独唱する話題の校歌 南夫妻が作詞作曲と引き受けたいきさつ

[ 2021年3月31日 19:05 ]

第93回選抜高校野球大会第10日第2試合 準決勝   明豊5―4中京大中京 ( 2021年3月31日    甲子園 )

<明豊・中京大中京> 決勝にコマを進め、駆け出す明豊ナイン(撮影・平嶋 理子)
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 継投で中京大中京を振り切った明豊が初の決勝進出を決め、今大会の甲子園に4度目の校歌が流れた。シンガーソングライター、南こうせつが独唱する校歌はSNS上でも話題で、ツイッターでは「すごい爽やか」「新しい形の校歌やね」「優勝して南こうせつの歌が聞きたい」など好意的なツイートが目立った。

 従来の校歌イメージにとらわれない、ひと味違うポップなメロディーと歌詞。タイトルは「明日への旅」。作曲が南こうせつ、作詞が妻の南育代さんとなっている。学校関係者によると、1999年4月に別府大学付属高校と明星学園が合併して明豊高校が開学。そのときの学校法人理事長だった西村駿一さんが、校歌の制作を大分県出身の南に依頼。当時、育代夫人が系列校の別府大学短期大学部でピアノ講師を務めており、明豊がある大分県内から通勤していた。その縁で、西村理事長と南夫妻は家族ぐるみで付き合いがあったという。

 学校関係者は、「聞き及んでいる話ですが」と前置きし「直接、理事長が南さんのところに伺って依頼したと聞いています。“新しい、今までとは違うものを。学校名が全く入っていなくてもいいので”と」。その結果、斬新な校歌が誕生した。全面的に任されていても、校訓「夢・勇気・愛」はしっかり歌詞に盛り込まれており、南夫妻の学校への配慮も見られる。

 ベスト4に進出した2年前のセンバツでは、アクシデントもあった。1回戦で勝利し整列して校歌が流れたが、テープが終わる前に選手がスタンドへ走り出してしまった。これは歌い終わってからのメロディーが長かったため、選手が待ちきれずに走り出したようだ。

 南こうせつは、すぐに学校に連絡し、歌のない最後のメロディー部分の短縮を提案。修正バージョンを大会中に送り、その後はこの短縮版が使われている。

 「テレビでも明豊を見てもらっていたみたいですね」(同関係者)。5回目の校歌が流れれば、大分県勢として54年ぶりの春の王者となる。

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2021年3月31日のニュース