広島・森下が白星も笑いもゲット 6回無失点で「お得意」阪神から今季初星 噂の一発ギャグも受けた!

[ 2021年3月31日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1ー0阪神 ( 2021年3月30日    マツダ )

<広・神>4回無死、木浪の投ゴロを捕球し一塁にトスする森下 (撮影・奥 調)
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 広島・森下暢仁投手(23)は30日の阪神戦に今季初登板し、6回1安打無失点で今季1勝目を挙げた。自身初の火曜日の登板で球数こそ100球とかさみながらも、7三振を奪う好発進。代打が送られて交代した6回の攻撃では、菊池涼が先制の決勝打を放って白星を贈られ、今季初の貯金1に貢献した。

 不安定だったはずの制球は、正念場で見違えた。森下は、4回先頭の糸原に初安打となる左前打を許すと、2与四球で1死満塁。絶体絶命の場面で佐藤輝を迎えて、この日一番の投球内容を見せた。

 「点を取られたくなかったので、自然と(球速が)出た感じなのかな」

 初球の151キロ内角で見逃しストライク、2球目は外角チェンジアップで空振り。寸分の狂いのない制球力で追い込むと、カウント1―2からの4球目だった。この日最速に並ぶ152キロを内角高めに投げ込んで空振り三振を奪った。続く梅野は、初球のカットボールで二ゴロとして切り抜けた。昨季は満塁機の10打席で被安打1、7三振。勝負強さは今季も健在だった。

 「ストライク、ボールが少しはっきりしていて、球数も多くなった。これからは長いイニングも投げられるよう準備していきたい」

 6回で100球を数えて、直後の攻撃で代打を送られた。決して本調子ではなかった中で、今季初勝利がついたことは、これ以上ない弾みとなるだろう。

 昨季受賞した新人王は、恩師との夢でもあった。明大時代、監督だった善波達也氏から「4年間使ったから、同期の連中には負けられないよな」と伝えられてきた。ドラフト上位候補だった高3時にプロ志望届を提出せずに明大に進学。決断が間違いでなかったことは、新人王で証明しようと過ごしてきた。だからこそ、プロ1年目が2人にとっての集大成だった。

 昨季の登板後には、必ず善波氏に電話をかけた。「打たれるのは別にいいんじゃない。なぜ打たれたか、感じたことを覚えておけばいいよ」。登板の度に伝えられる感想をもとに課題を整理した。チームトップの10勝を挙げて目標は達成された。そして、新人王受賞を電話で報告して以降、2人が連絡を取り合うことはなくなった。

 「いいスタートを切れた。いろんな人に感謝の気持ちを持って、何が何でも勝ってやるという思いでマウンドに立った」。恩師との師弟関係にひと区切りをつけて、独り立ちへの一歩を踏み出した。(河合 洋介)

 《「モリペイでーす!」》森下は殊勲のお立ち台で「モリペイでーす!」と叫んで笑いもゲットした。お笑いコンビ「ぺこぱ」のシュウペイ似と話題で、「シュウペイでーす!」の一発ギャクをアレンジ。直後の取材で問われると「黙秘で…」と照れ笑いだった。

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