楽天・岸 完封12球団一番乗り 無四球107球の熱投「いけるところまで全力でいった」

[ 2021年3月31日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5ー0ロッテ ( 2021年3月30日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>スタンドのファンに帽子を振る岸(撮影・尾崎 有希)
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 勝利の瞬間、楽天・岸は鮮やかなブルーのグラブを突き出しながら爽やかな笑みをこぼした。今季初先発で107球の完封勝利。完投&完封は12球団一番乗りで「なるべく自分で投げ切りたいというのはあった。いけるところまで全力でいった」とクールに喜んだ。

 球界屈指の制球力を駆使して、主導権を握り続けた。打者34人のうち初球ストライクは30人。直球(17球)が最多で、カーブ、スライダー、チェンジアップと全球種で有利なカウントをつくった。さらに無四球で「良くない時は四球がある。それがなかったのは良かった」と振り返った。

 FAで故郷・仙台を拠点にする楽天に移籍して5年目。この日も含めると移籍後は76試合で30勝19敗、防御率2・90という成績を残しているが「まだ何も貢献できていない」と言う。昨季で4年契約が終了し、今季からは単年契約。今年は東日本大震災から10年でもありチームを頂点に導くと心に誓っている。

 昨季は最終的に7勝0敗でシーズンを終えたが、腰痛による出遅れもあったため納得はしていない。オフは調整法を見直した。主力は免除されていた11月の秋季練習に自主参加し、定期的にブルペンにも入った。2月のキャンプでは投手陣最多となる1039球を投げ込み「ここ何年かでは一番状態が良い。秋にしっかりやったおかげだと思います」と効果を実感する。

 記念球は西武時代の先輩でもある石井監督に手渡した。ヒーローインタビューでは「東北の皆さんに喜んでもらいたいので、もっと勝てるように頑張ります」と声を張った。円熟味を増した投球でこれからも勝利を届ける。(重光 晋太郎)

 ≪18度目で現役投手3位タイ≫岸(楽)がプロ15年目で初となる両リーグ完封一番乗り。自身の完封は昨年10月15日のロッテ戦以来18度目で、田中将(楽)、松坂(西)に並ぶ現役投手3位タイに浮上した。また、無四死球の完封は西武時代の14年5月17日楽天戦以来7年ぶり6度目だ。なお、ロッテ戦の完封は日本ハム戦の4度を上回るカード別最多の6度で、そのうち5度がZOZOマリン。球場別ではメットライフに並び最多と敵地ながら相性抜群だ。

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