西武ドラ6ブランドン、プロ初安打が1号2ラン パ新人一番乗り「サインがエンドランで打ちにいった結果」

[ 2021年3月31日 05:30 ]

パ・リーグ   西武11ー4日本ハム ( 2021年3月30日    札幌D )

<日・西>2回1死一塁、2ランを放つブランドン(撮影・高橋茂夫)
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 西武は30日、日本ハム戦に11―4で快勝。東農大北海道オホーツク出身でもある西武のドラフト6位・ブランドン(22)が2回にパ・リーグの新人で一番乗りとなる1号2ランを放つなど、2安打4打点と活躍した。主砲の山川穂高内野手(29)が故障で途中交代した試合で新戦力が台頭。「第二の故郷」で存在を輝かせた。

 さまざまな思い出が詰まった北の大地に、ブランドンの「成長の証」が刻まれた。

 「“伸びてくれ”という思いで打球を見ていました。サインがエンドランで、打ちにいった結果がホームラン。うれしいです」

 2点リードの2回1死一塁で河野の変化球を強振。打球は左翼席に達した。待望のプロ初安打となる1号2ランは、今季のパ・リーグ新人1号のおまけつきだ。レスリング経験者の米国人の父・デービッドさん(51)譲りのパワーを発揮した男は5回も中前適時打を放ち8回は左犠飛。計4打点を挙げた。

 筋骨隆々で端正な顔立ちだが、幼少期からずっとおとなしい性格。小学生の頃は周囲に「アメリカ人!」と、からかわれるたびに落ち込んだが、いつも母・恵さん(48)が優しく励ましてくれた。「アメリカ人だけど、日本人だよ。2つだよ。落ち込まんよ」。その言葉を胸に刻み、前を向いて生きた。

 沖縄・石川高では甲子園に出場できず、地元から約2500キロ離れた「東農大北海道オホーツク」の門を叩いた。だが最初は環境に適応できず、1年春のリーグ戦後にすぐに帰郷。約2カ月、バットもボールも触ることなく、そのまま退部も考えた。思いとどまらせてくれたのはテレビの中で躍動するプロ野球選手たち。「自分には野球しかない…」。北海道に戻った。その後は北海道六大学リーグで3度の首位打者に輝くなど才能が開花。プロ入りを実現させた。

 28日までのオリックスとの開幕3連戦で計4打席立ったが、快音は響かず。試合の雰囲気にも「慣れない」と話していた新人が、第二の故郷で躍動した。「4年間、頑張ってきた結果、同じ北海道の舞台で少し恩返しができたかな」とブランドン。主砲の山川が故障で離脱した試合で、新星がキラリと輝いた。(花里 雄太)

 《球団15年ぶり、3月中の新人プロ1号》新人のブランドン(西)が2回にプロ初安打となる2ラン。西武で初安打が初本塁打は18年9月19日、日本ハム戦の山田(プロ4年目)以来だが、新人では14年9月15日楽天戦の山川以来だ。また、チームの新人で3月中にプロ1号は、06年3月29日ソフトバンク戦で炭谷(現巨人)が打って以来15年ぶり。

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