阪神・佐藤輝は前進あるのみ 二塁憤死も3三振も攻めた結果 明日につながる今季初黒星

[ 2021年3月31日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0ー1広島 ( 2021年3月30日    マツダ )

<広・神> 9回2死、阪神・佐藤輝は栗林の前に空振り三振に倒れる(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神は30日の広島戦に0―1で敗れ、08年以来の開幕4連勝を逃した。昨季3勝を献上した森下を攻略できず救援陣にも抑えられて零敗。矢野燿大監督(52)は「大きくダメージはない」と気持ちを切り替えた。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)は3三振を喫してプロ初の最終打者。7回の右翼線への安打では積極的に二塁を狙って憤死するなど大きな経験を積んだ。

 豪快な同点2号を願った虎党の声援はため息に変わった。9回2死。見逃せばボールだった栗林のフォークに佐藤輝のバットは空を切った。1点差での今季初黒星。悔しい零敗でも、矢野監督はむしろ奮戦を称えた。

 「後から“たら、れば”を言えば、出ちゃうんだけど、みんな思い切って行ったから仕方がない」

 最大の好機は4回だった。糸原の左前打とマルテの四球で初めて走者が得点圏に進塁。無死一、二塁から大山は7球粘った末に外角低めのカットボールで空振り三振に倒れた。サンズの四球で満塁。佐藤輝は152キロに空振り三振で、梅野も初球のカットボールを打ち損じて二ゴロに倒れた。

 「レベルの高いピッチャー。だからこそ何とか全員で…というところはね。いけたんだけど、最後点を取るところがいけなかった」

 昨季は無傷3勝を献上した森下との今季初対戦で再び苦杯をなめた。ヤクルトとの開幕3連戦では6本塁打を含む計31安打21得点。あの活発だった姿が影を潜めた。わずか4安打の沈黙。佐藤輝も3三振だ。

 しかし、次戦につながる光明はあった。それを示したのも黄金ルーキーだった。

 7回1死。佐藤輝は同じ新人、森浦のスライダーを右翼線へ。8打席ぶり安打で一気に二塁を狙い、鈴木誠の好処理&好送球でヘッドスライディングが実らずに憤死した。矢野監督は「全然、行っていいと思う。あれは相手が上なだけで。うちの野球はそういう野球」と振り返り、井上ヘッドコーチも「非は一つもない。ある意味で褒めてやりたいなというプレー」と言い切った。

 13年ぶりの開幕4連勝は逃しても、スローガンにある「挑」の心意気を感じ取り、矢野監督はうなずいた。

 「大きくダメージというのはない。気持ちの部分とか、攻めていく気持ちとか、粘りとか、そういうところはやり切ってくれた」

 長丁場の戦いは始まったばかり。引き分けた巨人に首位の座を譲り、31日の第2戦が仕切りなおしだ。3月最後の一戦を勝利で飾り、再加速すればいい。(山本 浩之)

 ▼阪神・井上ヘッドコーチ(森下に敗れ) 今回の敗戦を材料にしてやっていくしかない。開幕からいい形で来て、敗戦を引きずるとかはないと思う。あれだけの投球されると、こんなに調子の良かった打線でも、やっぱり点数が取れないので、そこは明日から“おい!切り替えていくぞ!”とハッパをかけたい。

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月31日のニュース