阪神・大山 15打席ぶり安打は47打席ぶり9号弾 試合前の矢野監督の助言、早速効いた

[ 2020年8月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-2広島 ( 2020年8月8日    マツダ )

<広・神(7)> 2回無死、大山は左越えソロを放つ(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神は8日の広島戦に1―2で敗れ、2連敗となった。打順を入れ替える中で4番に座り続ける大山悠輔内野手(25)が2回に一時同点となる9号ソロ。8月に入り打率1割台と苦しむ男のバットから15打席ぶりの安打が飛び出したが、1点を追う8回2死三塁の好機では遊飛に倒れた。4番の浮沈がチームの勝敗に直結するだけに、8月初アーチを復調のきっかけとしたい。

 たまっていた鬱憤(うっぷん)をバットにぶつけた。大山が放った15打席ぶりの安打は左翼席に飛び込む9号ソロ。先制された直後に一時同点となる一撃で、ようやくトンネルを抜け出した。

 「点を取られた直後の先頭打者だったので、出塁する意識を持ってスイングをした結果、いい形で捉えることができました」

 0―1の2回、先頭でカウント1―1から大瀬良の内角ツーシームを芯で捉えた。7月26日の中日戦以来、11試合、47打席ぶりの一発で唯一の得点を叩き出した。

 7月は月間打率・299、8本塁打、20打点と4番にふさわしい内容だったが、8月に入り急失速。この日の4打数1安打を含め7試合で28打数4安打、打率・143、1本塁打、3打点は物足りないのひと言だ。

 試合前練習では、首脳陣から助言をもらった。矢野監督に呼ばれると、井上、新井の両打撃コーチも交え、約5分間だったが打撃指導を受け、早速、一つの結果は出した。指揮官も「1年間ずっと調子がいいってことはない。もがきながら何かつかんでくれたら。アドバイスするし、気付いたことは伝えるようにしている。悠輔の成長はチームとして必要だから」と4番の重圧を理解し、継続してサポートすることも約束した。

 収穫があった一方で敗戦という現実も残った。1―2の8回2死三塁ではカウント2―2から塹江の内角低めスライダーを捉えることができず遊飛。以前から「自分が打たなかったら負ける」と4番の責任を自覚している。序盤に同点弾を放ったからこそ、終盤の勝負どころでも力を発揮してもらいたかった。

 7月以上の勢いは当然として、さらなる力を備えれば、再びチームを浮上させることができる。ペナントレースは、まだ3分の1を消化しただけ。4番としての真価が問われるのはこれからだ。8月初の一発を、自身の、そして猛虎の、再進撃への号砲としたい。(長谷川 凡記)

 《4番のバットでチームも浮沈》大山(神)の2回同点ソロは8月4日巨人戦9回の中前打以来4試合15打席ぶりの安打。この日4打数1安打で8月の打率は.143。セ・リーグの4番打者では5位の低迷で、チームも8月は目下2勝5敗、勝率.288で月間6位。一方でDeNAは佐野が打率.480と気を吐き、8月5勝2敗、勝率.714は広島と並ぶ月間トップでシーズン2位浮上。岡本の不振で3連敗の首位・巨人に3ゲーム差まで迫っているように、チームの浮上には主砲の勢いが欠かせない。

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月9日のニュース