有観客での全試合完走のためにも…求められる「ウィズコロナ時代」の観戦マナー

[ 2020年8月9日 09:00 ]

<楽・西>2回、マウンドで話す則本昂(中央)ら楽天ナイン(撮影・白鳥 佳樹) 
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 新型コロナウイルの感染拡大の勢いが止まらない。球界関係者も危機感を強めている中、8月1日にソフトバンクの長谷川勇也外野手(35)がPCR検査で陽性だったというニュースが飛び込んできた。オリックスでも球団職員の陽性が確認されている。プロ野球の本拠地を抱える大都市を中心に感染が広がっており、在京球団のあるスタッフは「どこの球団で感染者が出ても不思議じゃない。むしろ“うちも感染者が出る”と想定してやっていかなければ」と危機感を募らせている。

 球団内やチーム内の感染だけでなく、球場内での感染も懸念されている。東日本の球団で球場管理を担当する職員は「クラスターが起きることだけは避けたい。できる限りの感染対策と注意喚起はやっているけど、お客さんに“新様式”の観戦スタイルに協力してもらうことが不可欠なんです」と話す。

 有観客試合がスタートしたのは7月10日。1カ月が経過し、観戦マナーが問題になったケースも少なくない。試合中に大きな声でヤジが飛んでゲームが中断したり、守備側のチームから「捕手の構えたコースを声に出すファンがいる」という指摘もあった。

 各球場ではマスク着用を呼びかけた上で、大声を出したりハイタッチや飛び跳ねるなどの行為も禁止されている。ほとんどのファンがルールを守っている一方、マナー違反の観客も一定数いるのが現実。取材中、球場内でそういった光景を目にすることもしばしば。

 主軸打者にサヨナラ本塁打を飛び出したある試合では、あちらこちらでファン同士がハイタッチやハグで大喜び。試合後には入場ゲートを出てすぐの敷地内で興奮冷めやらぬファンたちが立ち飲みスタイルの「二次会」で盛り上がっていた。

 別の球場ではスタンド内で複数のファンが大声を出しながら酒盛りが始まり、周囲のお客さんが別の空いている席に避難する場面も目にした。残念なことに、いずれのケースもマスクを着用せずにソーシャルディスタンスが守られていなかった。

 先ほどの球場管理職員は「スタッフを巡回させているけど、全てに目が届くわけではい。特にBOXシートやVIPルームなどは“密”が生まれやすい。その中に無症状の人がいる可能性もあるわけで…」と頭を抱える。その上で「制約が多くて申し訳ないが、今はいろいろ我慢してほしい。もしクラスターが発生したと認定されてしまったら、しばらくその球場には人を入れられない。せっかく球場にファンのみなさんが戻ってきたのに、またスタンドが無人になってほしくない」を訴える。

 選手も同じ思いだ。「球場にファンのみなさんがいることで、選手たちはやりがいを感じている。人が入ることでリスクはあるけど、感染予防を徹底してやっている。球場ごとのルールを守った上で楽しんでもらいたい。力を合わせて(新様式の)いいものをつくっていければ」。こう呼びかけたのは楽天の則本昂大選手会長だ。

 シーズンは全日程の約1/3を消化した。12球団が有観客のまま全120試合を完走するためにも「ウィズコロナ時代」の新様式への理解が求められている。(記者コラム・重光 晋太郎) 

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