楽天 浅村 雪辱の2発 初のマルチ弾で相手エース粉砕「マジでホッとした」

[ 2019年10月6日 05:30 ]

パCSファーストS 第1戦   楽天5―3ソフトバンク ( 2019年10月5日    ヤフオクD )

<ソ・楽①>5回2死、左越えにこの日2本目となるソロを放つ浅村(投手は千賀)(撮影・岡田 丈靖)
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 レギュラーシーズン3位の楽天が、CSファーストステージ第1戦で2位のソフトバンクに5―3で逆転勝ちした。浅村栄斗内野手(28)が初回に先制ソロを放ち、5回にも同点ソロ。3安打3打点の活躍で勝利に貢献した。CSでのマルチ弾は昨季までの西武時代を含めて自身初で、球団史上初めて。6日の第2戦も勝てば、2年ぶりのファイナルステージ進出が決まる。

 甘い球は見逃さない。浅村が真骨頂を見せつけたのは初回の初打席。初球から2球続けてバットが空を切った。これで吹っ切れた。

 「中途半端にボール球を振ってしまった。甘い球を前に飛ばすことだけを意識した」。千賀が4球目に外角に投じたフォークが抜けた。迷わず強振すると、打球は右中間のテラス席に吸い込まれた。

 先制ソロで重圧から解放された。「自分自身もチームにとっていい先制打になった。気持ちが楽になりました」。逆転を許して1点を追う5回には、内角の154キロ直球を今度は左翼テラス席に同点ソロを叩き込み、チームは完全に息を吹き返した。9回も二塁適時内野安打を放ち、3安打3打点の大暴れ。レギュラーシーズンではソフトバンク戦で打率・163、1本塁打と苦手にしていただけに「マジでホッとした」という。シーズンを1試合で上回る2発。西武時代で優勝した昨季、CSファイナルSではソフトバンクに敗れて悔し涙を流した。2つの雪辱を果たした。

 大阪桐蔭在学中、ラグビー部の全国大会の応援に足を運んだ。仲の良い同級生には高校日本代表もおり、ラグビーの魅力に取りつかれていた。昨年11月には日本代表とニュージーランド代表のテストマッチを生観戦した。「恐れることなく、相手に向かっていく姿は本当にかっこいい」。日本代表がアイルランドから大金星を挙げた試合はテレビで観戦。刺激を受けて千賀に向かっていき、打ち崩した。「(サモア戦は)もちろん見ますよ」と笑顔でバスに乗り込んだ。

 リーグ3位からの下克上に向け、最高のスタートを切った。第2戦も勝てば古巣・西武と戦うファイナルS進出が決まる。「ジャイアントキリング」を成し遂げるためには、浅村の打棒は欠かせない。 (重光 晋太郎)

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