【新井貴浩 視点】明暗分けた継投策 選手の力を引き出し士気を高めた矢野監督

[ 2019年10月6日 08:11 ]

セCSファーストS第1戦   阪神8―7DeNA ( 2019年10月5日    横浜 )

最後を締めた藤川(右)を笑顔で迎える矢野監督(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが5日に開幕。阪神がDeNAに6点差大逆転勝利を飾った一戦を本紙評論家の新井貴浩氏が評論した。

 前半と後半で試合の流れが大きく揺れ動いた一戦。逆転直後の8回に岩崎をマウンドへ送った継投が最後の分岐点だったと思う。
 ドリスは登板した7回を9球で終了。ジョンソンが不在の中、この時点でブルペンに残っていたのは岩崎以外に藤川と望月だけ。延長戦の可能性が頭をよぎり「ドリスで、もう1イニング」と欲張ってもおかしくない場面だった。

 8回の攻撃中にドリスはベンチ前でキャッチボールしながら待つ時間も長かった。単に球数だけで判断するのではなく、繊細な投手心理も踏まえた投手交代は見事だった。

 特に8回は4安打していた神里に回る打順でもあった。初回先頭では西が先制点につながる安打を打たれ、5回の島本も粘られた末の安打で追加点を奪われるなど、DeNAの攻撃の起点になっていた。その神里を含めて岩崎が3者連続三振に抑え、逆転後の流れを渡さなかった。

 逆にDeNAは6点優勢の7回にバリオスを起用。直後の攻撃では決して状態の良くなかったエスコバーを打席に立たせて回をまたがせ、8回2死の窮地でも山崎を出さなかった。何か事情があったのかもしれないが、出し惜しみしたようにも映った。その点でも矢野監督の岩崎投入は好対照だった。

 阪神はレギュラーシーズン終盤から負けられない試合を戦い、矢野監督が攻めの采配や思い切った起用で絶対に勝つという強いメッセージを選手に送り続け、勝ち抜いてきた。実際にやるのは選手でも、選手の力を引き出し、士気を高めるのが監督の仕事だと思う。北條の逆転打で選手、スタッフ全員が乗り出すように喜んでいたベンチの光景からも一体感が伝わる。改めて“監督の力”を感じさせられた。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年10月6日のニュース