阪神 CS史上最大の逆転!奇跡を呼んだ北條 神懸かり5打点

[ 2019年10月6日 05:30 ]

セCSファーストS第1戦   阪神8―7DeNA ( 2019年10月5日    横浜 )

8回2死二、三塁、逆転の2点適時三塁打を放った北條はベンチに向かってガッツポーズ(撮影・大森 寛明)
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 セ・パ両リーグともに5日、クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ(S、3試合制)が開幕した。阪神は6点差をはね返すCS史上最大の逆転勝利でDeNAを下し、ファイナルS進出に王手をかけた。CS初出場の北條史也内野手(25)が7回に3ランを放つと8回には逆転の2点三塁打で計5打点。昨年は左肩亜脱臼でリハビリの日々を送っていた若虎が、逆転でのCS進出に続き、さらなる「奇跡の秋」をスタートさせた。

 こんな秋を過ごしたかった。激痛、無念、悔恨……。北條が、ずっと噛みしめ続けた1年越しの思いを、最高のパフォーマンスに変えてみせた。

 「点差が開いても諦めない気持ちがみんなあったので。そういうのが結果的にホームランになったと思う」

 劇的ドラマの号砲を鳴らしたのは6点を追う7回だ。1点を返し、なお1死一、二塁からエスコバーの154キロ直球を強振。「自分的には上がりすぎたかな」と確信を持てず走り出したが、左翼席に着弾。自身CS初安打となる3ランで球場の空気を変えた。

 1点差に迫った8回2死一、三塁、後を打つ福留から「今日は俺の日じゃないから、おまえ、いってこい」と背中を押された。近本が二盗を決め相手外野陣が前進守備に変わった直後、国吉のカットボールを捉えた一撃は中堅・神里の頭上を越えた。「ここ一番で集中力を高めて打席に入った」という強靭なマインドに裏付けされた力強いスイングでCS史上最大の逆転劇を完成させた。

 昨年9月14日のヤクルト戦で三遊間の打球に飛び込んだ際に左肩を亜脱臼。自身のシーズン終了を告げる重傷を負った。数日後、「これが相棒ですわ」とギプスを触って苦笑いする表情には様々な感情が浮かんだ。リハビリ期間、ポジションを争うライバルが秋季キャンプへ向かうと「あんまり考えないようにしてますけど、みんな練習してうまくなるんやろなとか思いますよね」と焦りを吐露。数カ月間、バットを振れなかった冬には「左手のマメがなくなりましたわ」と寂しげに手のひらを見た。

 支えられたのは、当時2軍で指揮を執っていた矢野監督の言葉。2軍に合流した際に「あれを飛び込まないお前より、飛び込むのが北條じゃないの」と励まされた。ぬぐえなかった後悔の思いが晴れた瞬間だった。

 今年9月21日の広島戦で決勝の2ランを放ってからチームは6連勝で逆転でのCS進出を決めた。そしてこの日は5打点の活躍。背番号2が下克上を狙う猛虎の象徴になりつつある。

 「1年間、納得いかない成績でみんなの力でCSに行けて。今日は活躍できましたけど、明日も出たら活躍できるように」

 「屈辱の秋」は今、「躍動の秋」に変わろうとしている。苦しみ、悩んだ日々を思い返し、北條は奇跡への道を先頭に立って駆け抜ける。(遠藤 礼)

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