好打者に利き目はどっちか聞いてみると意外な結果が…

[ 2019年9月6日 09:00 ]

日本ハムの田中賢(撮影・高橋茂夫)
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 【君島圭介のスポーツと人間】ボクシングをしていたとき、利き目の重要性を知った。右利きなので自然と右構えだったが、左肩を痛めサウスポースタイルに変えた。すると世界も一変した。視界が倍に広がり、明るさも増した。利き目が右だったからだ。

 自己体験から打者も利き目が前の方が有利と思い込んでいた。だから、右投げ左打ちのロッテ・安田の言葉を聞いたときは驚いた。

 「僕は利き目が左なので左打席が合うんです」「え?逆じゃないの」「左目で最後までボールが見れるので」

 最後までボールを引き込んで叩く。同じ言葉は左投げ左打ちの楽天・島内からも聞いた。「僕も利き目の左で最後まで見ています」。島内のポイントもかなり捕手寄りだ。

 左打ちで左目が利き目でもポイントが前の打者もいる。右投げ左打ちのロッテ・角中は「高校のときは左目で見ようと顔を投手の正面に向けたけど、目がいいから関係ねえなと思ってやめた」と、気にしていない。

 ヤクルト・雄平は左投げ左打ちで利き目も左。左目で見やすいように顔を正面に向けた時期もあるが「左投手のスライダーが消える」という理由で横向きに戻し、「両目で見る感覚」になった。

 意識していない選手もいる。広島・鈴木は右投げ右打ちで利き目は左だが「気にしたことがない」。ヤクルト・山田哲も右投げ右打ちで左が利き目。だが「利き目の方が視力も悪いし、乱視も入っている。悪い方の目で見ている感じ」と、まさかの答えだ。

 右投げ右打ちのロッテ・井上も利き目が左。ボールが見やすいかと思えば「長く見ないようにしている」という。あまり引き込むと利き目と逆の右目を使ってしまう。左目から右目に移る瞬間にボールがぶれるというのだ。だからインパクトの直前にボールから目を切る。何と深い。

 日本ハム・田中賢の言葉はしびれた。今季限りで18年のプロ生活に終止符を打つ右投げ左打ちの巧打者は「利き目が左だからもっと長くボールを見たいんですけどね」。最後の1打席、最後の1球まで打撃を追求する姿勢に恐れ入った。

 気づいただろうか。日本人の6割以上の利き目は右だというが、ここまで登場した8人全員、左が利き目だ。こうなると、利き目というより「脳」の使い方の問題ではないだろうか。左目を使うと「直感力」「空間認知力」に優れた右脳が活発になる。調査対象は少ないが、好打者ほど右脳を使っていると考えられる。

 利き目が左ではない選手を探して行き当たったのはヤクルト・村上だ。プロ野球の10代打撃記録を次々に塗り替える「怪物」に聞くと「僕は両目なんです。つい1週間前にチームで調べたときも“お前、利き目どっちなんだよ”と言われました」と笑った。村上、恐るべし。(専門委員)

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