日本ハム 矢野特命コーチ 現役時代と同様に一番乗りするわけは…

[ 2019年7月22日 10:26 ]

試合前練習前に西村とグータッチを交わす矢野特命コーチ
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 7月19日、午前11時。

 ナイター開始の7時間も前の札幌ドームのグラウンドを黙々とランニングする姿があった。昨季限りで現役を引退し、今季からレンジャーズにコーチ留学するなど指導者としての経験も積む矢野謙次チーム統括本部特命コーチ(38)だ。現役時代と不変のルーティン。なぜか…。そこには後輩たちへの「愛」があった。

 これまで2度渡米し、それぞれ2カ月ほど現地に滞在。帰国時は1軍に同行したり、千葉・鎌ヶ谷の2軍施設で練習をサポートする。今月8日に2度目の米国滞在を終えて帰国し、この日からのロッテ3連戦は1軍に同行。その初日、誰よりも早くグラウンドに登場して体を動かしつつ、久々に再会したナインと談笑したり、西川、清宮らの早出特打を見守った。記者が「引退したのになぜ早くグラウンドに出るのか?」と疑問をぶつけると「選手が何を悩んでいるのか、それに対してどういう練習をしているのかを把握するためです。何かを聞かれたら的確にアドバイスをしてあげたいので」と返ってきた。

 実は後輩たちの「観察」は現役時代から続けていた。不振の選手は全体練習前に早出で練習を行う。もちろん長い時間をかけてコンディションを整えることが主な目的ではあったが、チーム内で年長者となってからは早出の選手の動きや練習内容にも気を配った。「練習を見てあげればコミュニケーションも取りやすい。自分も若手の時は指導者や先輩に恵まれてきたので」と笑顔で語る。

 そんな変わらぬスタンスが20歳の清宮を助ける。当日のロッテ戦を終えて31打席連続無安打。試合後、矢野コーチは清宮をスイングルームに誘った。ぎこちないスイングを繰り返して凡打の山を築いていた清宮に「おまえの良さは上半身の柔らかさ。それがなくなっているからバットの出も悪い」と指摘。約30分、素振りを見守った。翌20日の同戦。4回に清宮が放った33打席ぶりの安打は、外角シンカーに体が泳ぎながらも柔らかいバットコントロールで中前に弾き返したものだった。

 レ軍でも明るく熱心な人柄で周囲に慕われ「吉村GMからも“好きにやってください”と言われてるし、自分でテーマを持って日々を過ごせてます」と目を輝かせる。次回渡米は今月28日。シーズンが佳境を迎える9月中旬に帰国する予定だ。(記者コラム・山田忠範)

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