【岩手】大船渡・佐々木 涙の新伝説!160キロ&21K&V弾 最後の夏8強導く

[ 2019年7月22日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 岩手大会4回戦   大船渡4―2盛岡四 ( 2019年7月21日    岩手県営 )

<大船渡・盛岡四>佐々木は194球の熱投(撮影・木村 揚輔)
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 今秋ドラフトの超目玉、163キロ右腕の大船渡・佐々木朗希投手(3年)は21日、盛岡四との岩手大会4回戦に先発。8回にエンゼルスの大谷翔平投手(25)が花巻東時代に計測した公式戦での高校最速に並ぶ160キロを計測した。9回に今大会初失点して延長戦に入ったが、12回に4番打者として決勝2ラン。194球、毎回の21奪三振でベスト8へ導き、大粒の涙を流した。22日の準々決勝では久慈と対戦する。

 涙が止まらない。大粒の涙だ。校歌を歌って、一塁側の応援席へあいさつに向かう佐々木の目から熱いものがあふれ出た。勝って泣くのは初めてだ。

 「負けたら終わりというプレッシャーがあった。その中で勝ち切れてよかった」。試合後の会見は疲労のために時間が短縮。それほどドラマチックな2時間56分の熱戦だった。

 初回。150キロ台を連発してスタンドがどよめく。2回に今大会10イニング目で初安打を許しても後続を断った。長いイニングを見据えて出力を抑えても奪三振ペースは変わらない。この日多投したフォークが決まり、三振を奪うたびに歓声が上がる。そして8回。盛岡四の3番・岸田へのこの日117球目が新たな歴史の一球となった。

 「160キロ」。外角にわずかに外れた一球が、7年前に大谷が同じ岩手県営球場で出した公式戦での高校最速記録に並んだのだ。「足元より下かと思ったらストライクの高さに伸びてきてビックリした」。打席で体感した岸田は目を丸くした。佐々木は「何キロかは分からなかった。160キロとは思わなかった」と言うが、直後の140キロフォークに空振り三振した岸田は「直球かと思ったら視界から消えた」とも続けた。

 高校3年夏に160キロ、プロで日本最速165キロの大谷。既に163キロを高校日本代表1次候補合宿で出している佐々木は、165キロについて「あと2キロは高い壁だけど、いつか出ると思う」と話していた。その言葉が現実味を帯びる一球。大谷はその夏、決勝で一発に泣いて甲子園行きを阻まれた。でも、佐々木は9回に159キロを打たれ、今大会初失点で追いつかれても負けない。延長12回、こん身の一撃が右翼芝生席に弾んだ。劇的な決勝2ラン。その裏を3者三振で締め、驚異の21奪三振で甲子園への夢をつなぎ留めた。

 「この夏が仲間とやれる最後の夏。ずっと覚悟を決めて臨んでいる」。魂の194球の裏にはそんな覚悟がある。これで今大会20イニング毎回の36奪三振。22日は連戦で準々決勝に臨む。国保陽平監督は「(連投は)コンディションを見て」と言った。でも、怪物の涙の向こうに甲子園は確かに見えている。(秋村 誠人)

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