【コラム】海外通信員

セリエA初 クリスマス時期開催の結果

[ 2018年1月23日 06:00 ]

12月27日、イタリア杯準々決勝でインテル・ミラノに勝利したACミラン
Photo By AP

 セリエAは1月6日から冬季の中断期間に入り、21日から再開された。毎年はクリスマス時期に休みを置いていたのだが、今季からは世間がクリスマス休暇に入った時期にも試合をすることになった。リーグ戦は中断されず、クリスマス・イブの前日(23日)や大晦日の前日(30日)、そして宗教上の祝祭日であるエピファニア(公現祭)である新年1月6日にも試合を行なった。それだけではない。秋雨の半ばには、イタリア杯準々決勝が各所で開催された。理由は、集客と国内外のテレビ放映におけるプレゼンスの強化だ。

 模範としたのは、イングランドのプレミアリーグである。彼らは冬季中断期間を設けず、12月26日のボクシング・デー(クリスマスにも仕事をしなければならなかった労働者を家族と過ごさせるための休日)にも試合をしている。伝統が違うのでそっくりそのままといかなかったが、セリエAはそれにならった。クラブの経営サイド、またはリーグの関係者の間では、放映権料という面でもセリエAが他国のリーグに比べて価値を低下させているのが問題となっていた。

 ドイツ・ブンデスリーガの2億5000万ユーロ、リーガ・エスパニョーラは6億ユーロ、プレミアリーグに至っては10億ユーロを突破するという。一方で数クラブが弱体化したセリエAといえば、1億8000万ユーロがせいぜいだという。以前、あるクラブのGMと話をする機会があったが「リーグの統括団体レガ・セリエAでは、イタリアサッカーを良質なプロダクトとしてどう育てていくかという建設的な議論が全くなされてない。話し合いをすれば、クラブ間同士が金銭面でもめてばかり」と嘆いていた。

 一方でセリエAは伊サッカー選手協会(AIC)との協定で、故障の低減という福利厚生面の理由で冬季に休みを取らせることになっている。過去に同様の提案がなされた時もAICは拒否をしていたが、ダミアーノ・トンマージ会長は今回の日程案が示された当初にも「試合数が多くなり、故障が増えるという懸念がある」と一度は難色を示した。ただその後「サッカー界の構造全体をよくする、という意味ではいいことだと思う」と理解し、バカンス期に試合を開催する案に反対を挟まなかった。

 こうして冬季のクリスマス休みにも試合をすることになったが、少なくとも国内の集客については上々の結果が出た。国営放送RAIによれば、27日に行われたイタリア杯準々決勝のミラノダービーのテレビ生中継では約800万人が主張し、テレビを視聴していた世帯の占拠率も32.4%に達した。30日に行われたインテルvsラツィオ戦では、スタジアムの入場者が6万人を突破した。家族が集まり、一緒に観戦しやすい時期にプレゼンスを高めた効果はとりあえずあったということだ。

 その後各クラブの選手は、だいたい1週間近く与えられるバカンスを過ごした。ある選手はドバイやモルジブのリゾートに、またある選手は雪山に。長友佑都のように国に帰るものもいた。その短い間で、英気を養えて戻ってくることができるのか?バカンス後の練習取材をすると、見るからにオーバーウエイトになってチームに戻ってくる選手もいるようだが…。(神尾光臣=イタリア通信員)

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