久保九段 王将戦1次予選準決勝進出!西川六段に勝利 勝者この一手は「▲6八金打」

[ 2023年3月29日 20:08 ]

久保利明九段
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 王将4期で振り飛車党の第一人者・久保利明九段(47)が29日、大阪・関西将棋会館で第73期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)1次予選で西川和宏六段(36)と対局し、139手で勝利した。久保は次戦、西田拓也五段(31)との1次予選準決勝へ勝ち上がった。

 同じ関西本部所属ながら、西川との対局は2010年以来13年ぶり。自身と同じ振り飛車党との対局では、対抗型へ持ち込むため居飛車を指すケースの多い先手・久保はこの日も3手目▲2六歩と居飛車を明示した。

 久保が穴熊、西川が美濃囲いを目指した陣形整備の後、33手目▲9八香と上がった瞬間に西川が△3五歩と久保の飛先へ歩を突き出して開戦。久保陣の右辺で大駒計4枚が乱舞する攻防が長く続いた。

 「(67手目に)▲9九王と穴熊に入ってから自王がしっかりして感触が良くなったかと思いました」。堅陣を削り合う消耗戦を経て、自陣に肉薄した西川竜へ退去を促す101手目▲6八金打を今局の「勝者この一手」に指定。「派手さはないが、穴熊らしく勝ちやすくできたかなと思います」と振り返った。

 今年度最終局となり、19勝21敗で終えた。王位戦では12人が紅組、白組に分かれて総当たりする挑戦者決定リーグ入りした一方、B級1組順位戦では陥落を経験。その中で、楽しみなのが挑戦者決定トーナメント入りした王座戦だろう。

 史上初の全8冠独占まで、残すは名人、王座の2冠となった藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖を含む6冠=。その名人戦は4月5日に7番勝負が開幕し、奪取すれば残すは王座のみ。その挑戦権を争う戦いに、久保も参戦する。

 現在は新年度の戦いが本格化するまで、この1年間の棋譜を振り返っている最中でもあるとし「精査して弱点を見つけたい」。トーナメントの開幕まで、自慢のさばきに磨きをかける。

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2023年3月29日のニュース