元棋聖“火の玉流”で魅了 有吉道夫さん死去、87歳 大山15世名人と「師弟の名勝負」

[ 2022年9月29日 05:30 ]

有吉道夫氏
Photo By 共同

 故大山康晴15世名人の弟子で引退棋士九段の有吉道夫(ありよし・みちお)氏が27日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため死去した。87歳。岡山県備前市出身。通夜は29日午後6時、葬儀・告別式は30日午後1時から、いずれも兵庫県西宮市高畑町2の25、エテルノ西宮で。喪主は妻美智子(みちこ)さん。

 史上2位のタイトル獲得通算80期を誇った同郷の大先輩に弟子入り。「強い方がやりにくい。師匠の方が何倍もやりにくかっただろう」と語っていた師弟対決は1966年の王位戦から72年の王将戦(スポニチ本紙主催)まで4度、タイトル戦で実現したがいずれも敗退。特に69年の名人戦で3勝2敗とリードもあと1勝が遠く、最後は師の底力に屈したシリーズは「師弟の名勝負」として語り継がれている。

 普段は笑みの絶えない温厚な紳士だが、盤の前に座ると全身全霊で勝利を追い求める姿は“火の玉流”と呼ばれ、ファンを魅了し73年に棋聖を1期獲得。74年から89年まで連盟の常務理事を長らく務めるなど将棋普及に貢献し、2010年に現役を引退した。

 ▼羽生善治九段 心からご冥福をお祈りいたします。何度も公式戦で教わりましたが、序盤の研究が深く、いつも勉強になりました。対局中は闘志あふれた姿でしたが、日常はとても気さくで朗らかな先生でした。(ツイッターから)

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