従軍慰安婦テーマの映画「主戦場」3年にわたる裁判勝訴 デジタル配信開始発表「安心してご覧ください」

[ 2022年9月29日 10:25 ]

映画「主戦場」公式ツイッターアカウント

 従軍慰安婦をテーマにした映画「主戦場」に同意なくインタビュー映像を使われたなどとして、米国人弁護士ケント・ギルバート氏ら5人が、ミキ・デザキ監督や配給会社「東風」(東京)に上映禁止と計1300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は28日、上映を適法として請求を退けた一審判決を支持し、ギルバート氏らの控訴を棄却した。同日深夜、公式ツイッターアカウントが報告した。

 デザキ監督は上智大大学院生だった2016~17年、卒業製作が目的などと告げてギルバート氏らを取材して映画を作り、その後各地で一般公開した。東海林保裁判長は一審東京地裁判決と同様に、双方が事前に交わした書面の内容について「商用公開されることを含むものだったと認められる」と判断。ギルバート氏らが「歴史修正主義者」などと表現され、名誉を傷つけられたと主張した点に対しては、映画で示された客観証拠などを踏まえると、必ずしも否定的な意味とはいえないと指摘。「社会的評価を低下させるとは認められない」と結論付けた。

 公式ツイッターアカウントでは「映画『#主戦場』ご報告 今年1月の一審につづき、控訴審でも原告らの訴えをすベて棄却する判決が下されましたことをご報告するとともに、これまでご支援くださったみなさま、弁護団のみなさまに、あらためて心より感謝を申し上げます」と呼びかけ、デジタル配信の開始も発表。29日17時から映画配信プラットフォーム「MIRAIL」で先行配信されるという。

 デザキ監督は「いよいよ!『主戦場』のデジタル配信を開始します!長い間お待たせして申し訳ありませんでした!ご自宅で映画を観て、お友達やご家族と共有できるようになると思うと、とても楽しみです。また、3年にわたる訴訟も今年1月の一審に続き9月の控訴審でも勝訴しましたので、安心してご覧ください」とメッセージを寄せた。

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