藤井棋聖「特別な感慨」紋付きはかま姿で就位式出席 棋士とアスリートの共通点も語る

[ 2020年9月23日 16:35 ]

「第91期ヒューリック杯棋聖戦 藤井聡太棋聖就位式」で、賞杯を手にする藤井聡太棋聖(代表撮影)
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 将棋の第91期棋聖戦就位式が23日、東京都内で行われ、藤井聡太棋聖(18)に就位状、賞杯、賞金目録のほか、史上最年少17歳11カ月でのタイトル獲得にちなみ171万1000円の特別賞金が贈られた。藤井棋聖との一問一答は以下の通り。

 ――6月の挑戦者決定戦に勝って挑戦者になった時の心境をあらためて。
 藤井 対局が再開されてから2日に準決勝、4日に決勝という日程で、すぐには(挑戦の)実感が湧かなかったんですが、渡辺先生から番勝負で教わることはとても楽しみでした。

 ――スケジュールが変わって大変だったのでは?
 藤井 4、5月と自分にとって対局はなかったんですが、その間、佐藤天彦先生との準決勝に向けてしっかりコンディションを整えることが出来たかなと思っています。

 ――棋聖戦5番勝負の第1局で先勝した時の心境は?
 藤井 挑戦者決定戦から間もなくということなんですが、自分としてもいい状態で臨むことができて、結果として1勝を挙げられたのは自信になったのかなと思います。

 ――史上最年少でタイトルを獲得したときの心境は?
 藤井 第4局は苦しい時間の長い将棋でもあったんですが、なんとか勝つことが出来て、一つ結果を出せたのは非常にうれしかったですし、トータルでも成長できたのかなと思いました。

 ――タイトル獲得後2カ月経過しての就位式の感想は。
 藤井 本日、就位式を迎えられたことを自分としてうれしく思っています。あらためて獲得したことを実感して、今後一層精進したいなければと思います。

 ――王位も獲得して2冠。タイトルホルダーとしての気持ちの変化は?
 藤井 タイトル保持者になりましたが、対局に臨むのはこれまで通り全力を尽くすこと、その一方で将棋界を代表する立場でもありますので、盤上でも、それ以外の面でも一層精進して成長していけたらと思います。

 ――タイトル戦初の就位式で謝辞を述べた気持ちは?
 藤井 就位式自体は竜王戦、新人王戦と経験はあったんですが、タイトルホルダーとしてこの壇上に立つということで、今まで以上の緊張感というのはありました。

 ――揮毫(きごう)の機会も多くなった。文字を書くのは慣れた?
 藤井 これから学ばなければいけないと思っているところです(苦笑)。

 ――紋付きはかま姿は少年時代もあったが、本日に着用した気持ちは?
 藤井 和服自体はタイトル戦に出るまで着る機会はなかなかなかったんですが、今回就位式のために仕立てていただいたもので、自分としても特別な感慨はありました。

 ――最近、スポーツ雑誌が将棋を特集して話題を呼んだ。棋士とアスリートは同じという論点もある。藤井棋聖の見解は?
 藤井 棋士もアスリートの方と同じように、対局する姿勢を含めて見ていただいてるのかなと思いますし、将棋に対して真摯に取り組んでいるのは同じなのかなと思います。

 ――師匠の師匠、板谷先生のお墓参りに杉本さんと一緒にいかれたとか。
 藤井 先日お墓参りしました。自分と板谷先生は直接お会いすることはなかったですが、タイトル獲得の報告をすることができて、とてもよかったと思います。

 ――前日もそうだが、最近横歩取りの作戦が多い。結果は良くないが、横歩取りについては。
 藤井 横歩取りはいろいろな展開が考えられる。完成形はないというか、可能性ある展開が多いので、読みと形勢判断を問われてくるという印象です。

 ――師匠は「映画で言えば本編の始まり」と言った。今後はどういった作品になるのか。
 藤井 将棋というのは指すだけ新しい発見がある。その中で、そういった経験を通して成長して強くなってさらにいい将棋が指せるようにしていきたいという思いがあります。

 ――具体的な目標を挙げるとすれば?
 藤井 そういった結果は実力を高めることでしか実現しないと思っているので、強くなるために努力することがが一番大事なことかなと思います。

 ――日本で一番注目されていると感じることは?
 藤井 自分としては直接感じることはあまりないですけど、ただ多くの方に応援していただいているのはとても自分にとって励みになりますし、見ている方に楽しんでいただける将棋を指したい。

 ――前日の激戦から本日にかけて、どんな一夜?
 藤井 きのう対局があったので、寝付けるかどうか心配だったんですが、結果的にはしっかり寝ることができて、きょうを迎えることができて良かったなと思います。

 ――王将戦次戦の豊島戦について。印象と対策は?
 藤井 豊島竜王は序盤の研究が深くて、また中終盤においても鋭さと手厚さを兼ね備えている。非常に隙のない将棋という印象がありますので、対策と言うよりは自分の実力とコンディションでもしっかり高めて臨むのが大事だなと思っています。

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