コロナ禍に引退…元豊ノ島・井筒親方 家族と歩んだ現役生活18年 “一番のファン”娘からの手紙

[ 2020年7月11日 10:00 ]

今春18年の現役生活に終止符を打った元豊ノ島が、TBS「バース・デイ」に出演。家族との絆を追う(C)TBS
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 大相撲の元関脇・豊ノ島で4月に現役を引退した井筒親方が、11日放送のTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)に出演する。コロナ禍の真っただ中、無観客で行われた3月場所で18年に及んだ現役生活に終止符を打った元豊ノ島。これまでの家族との歩みと、親方として戦い続ける姿を追う。

 6月26日、元豊ノ島は妻・スナホさん、長女・キホちゃんと笑顔で37歳の誕生日を迎えた。現役を引退したばかりの父を、娘・キホちゃんは「今まで豊ノ島お疲れ様でした」と笑顔でねぎらう。

 現在は時津風部屋の部屋付き親方として関脇・正代や前頭筆頭・豊山ら後進の指導にあたっている。7月場所(7月19日初日、両国国技館)は親方として臨む初の本場所となり、元豊ノ島も毎日まわしを締め、土俵に降り立ち指導を行う。

 豊ノ島は1メートル70に満たない小兵ながら、豪快な相撲で人気を博した。横綱・白鵬にも真っ向勝負するなど、闘志あふれる相撲で何度も土俵を沸かせてきた。16年名古屋場所前に左アキレス腱断裂の重傷を負い、33歳で幕下に転落。だが、リハビリ生活を支えた妻と二人三脚で十両復帰を果たした。パパの相撲を応援することが何よりの楽しみという娘・キホちゃんは、毎場所大きな声援を送り続けた。

 だが今年1月、36歳にして再び幕下に陥落。引退も頭をよぎったが、勝ち越せば十両に上がるチャンスはある。幕下として、3月場所の土俵に上がる決意を固めた。

 その矢先、新型コロナ感染拡大の影響で3月場所の無観客開催が決定。進退を懸けた場所が、ファンのいない中での戦いとなった。毎場所会場で声援を送り続けた家族さえも中に入ることは出来ず、最後になるかもしれない戦いを外で見守るしかなかった。

 豊ノ島は最後まで奮闘したが、声援のない中で負け越しが決まり、引退の決意を固めた。会場の外で待っていたキホちゃんに引退を告げると「とうとは豊ノ島のままがいい」と涙。まだ豊ノ島でいてほしいと訴えかけられたが、何度も説得した。キホちゃんは「もっと続けてほしかった」と涙ぐむ。共に戦ってきた妻は、夫の決断を尊重した。

 現役引退から3か月、豊ノ島はこれまで多くは作れなかった家族との時間を大切に過ごしている。親方として第二の人生をスタートさせたパパに、キホちゃんが手紙を送った。パパの相撲が何より大好きだったキホちゃんが、父への手紙に込めた思いとは。

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