「ルパン三世」などのレジェンドアニメーター大塚康生氏が集大成画集

[ 2020年7月11日 10:51 ]

7月31日発売の「大塚康生画集『ルパン三世』と車と機関車と」
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 「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)などを手掛けたアニメーター界のレジェンド、11日に89歳の誕生日を迎えた大塚康生氏の集大成となる画集「『ルパン三世』と車と機関車と」(玄光社)が31日、発売される。

 日本アニメの黎明期から活躍し、東映動画(現東映アニメーション)時代には宮崎駿氏(79)らとともに数々の名作を生み出した大塚氏。宮崎氏が監督した「カリオストロの城」で描かれたフィアット500の躍動感あふれる疾走シーンは、今も多くのファンの心に刻まれている。

 「乗り物メカを描かせたら右に出る者がいない」といわれ、正確なメカ描写とダイナミックでコミカルな動きは、その後の日本アニメに大きな影響を与えている。

 「ルパン三世」のほか「ムーミン」や「未来少年コナン」「じゃりン子チエ」など多くの名作に作画監督として携わった。日本初の本格的カラー長編アニメ「白蛇伝」(58年)の原画も手掛けた。

 画集は「ルパン三世」に登場したフィアットや軍用車などのメカニック画のほか、模型好きが高じてデザインに携わったタミヤ「ミニ四駆」の特集も。太平洋戦争末期に過ごした少年時代、各地を回って描いた蒸気機関車(SL)やジープのスケッチなど、活動の原点にも踏み込んでいる。

 アニメ界、模型界の著名人から刊行に寄せたメッセージ色紙も掲載され、小田部羊一氏(「アルプスの少女ハイジ」作画監督など)や杉井ギサブロー氏(「タッチ」総監督など)、安彦良和氏(「機動戦士ガンダム」作画監督など)、押井守氏(劇場版「うる星やつら」監督など)や貞本義行氏(「新世紀エヴァンゲリオン」キャラクターデザインなど)ら豪華な面々が名を連ねる。

 A4変形判、160ページで税別3500円。19日から東京・神保町の書泉グランデで行われる「大塚康生フェア」で先行発売を予定している。

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