球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

コロナ陽性ドジャース・ターナー“飛び入り”歓喜 世界一より大きな代償になるかも…

[ 2020年11月1日 02:30 ]

 新型コロナ感染拡大渦中の異常なシーズンが終わった。大リーグ機構(MLB)の防疫対策は、何とか合格点のレベルだった。ところがワールドシリーズ(WS)を勝利したドジャースの表彰式で「祝典はコロナ大拡散イベントになる可能性も…」と報じられたハプニング。第6戦試合中にド軍ジャスティン・ターナー三塁手(35)のPCR検査「陽性」の知らせ。8回で交代、隔離室に移されたターナーは勝利を知ると、「皆と一緒になる」と係員の制止を振り切り表彰式に加わった。マスクを着けたり外したりして密接、密集、密閉の“3密”。MLBは「今季試合協定違反、事情調査をする」と激怒した。

 MLBコロナ対策担当部門も驚いた。7月23日の開幕早々、マーリンズで18選手の集団感染が発生し、続いてカージナルスで10選手の感染。「シーズン初めのこの2例が選手に“感染はシーズンを破壊する”と警戒させ、我々スタッフとユタ州ソルトレーク市の契約検査ラボ(研究所)の検査精度を高めた」とコロナ対策部門の責任者。WS直前の累計では17万2740の検体を調べ、選手57人、スタッフ34人の感染者を見つけた。54日間陽性者ゼロも記録した。好成績の対策成果は、最終試合後のターナーの軽率な行動で曇らされた。

 ターナーは14年にド軍に加わりチームリーダーとなったベテラン。「7年連続ポストシーズン進出でやっとつかんだ王座の喜びに自制できなかったようだ」とド軍幹部や選手たち。しかし、「そんなセンチな話で済むことではない。自分ばかりか他人の命も危険にさらす無責任行動」と非難の嵐。ターナーはWS終了でFAになったが、ド軍は再契約するのか?MLB処罰はあるのか?感染者が出れば訴訟もあり得るが、どうなることやら。(野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る