球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

バーランダー“取材拒否” 規則、規則で騒ぎすぎ

[ 2019年8月25日 05:30 ]

 選手と担当記者との間でささいなトラブルがあった。先週のアストロズ―タイガース戦、ア軍のエース、バーランダーが完投、11奪三振の快投ながら2本塁打で負けた試合後だ。

 バーランダーの談話を取ろうとしたタ軍担当記者がア軍クラブハウス入り口で3人の警備員に阻まれた。記者はア軍広報と大リーグ機構(MLB)に連絡し抗議した。これが午後9時35分、6分後の9時41分に取材OKとなったが、囲み取材は終了直前。バーランダーは記者の顔を見るなり「君の質問には答えないよ」。全米野球記者協会と記者が所属するデトロイトの新聞社は「協約を守らないプロにあるまじき行為に厳重に抗議する」とMLBとア軍に申し入れた。

 労使協約には、「選手は試合の前後にはメディアに対応すること」が義務付けられている。MLBはア軍に「他の記者と同時に取材させるべきだった」と注意したが、ア軍は納得がいかない様子。大リーグ15年のバーランダーは規則を承知のはず。ツイッターで「私は問題の記者とは話さないと試合の前日に連絡した。理由は、以前の彼の非道徳的な行為が受け入れ難かったからだ。取材なら他の記者をよこしてくれ、と伝えた。返事はなかった」と事情説明。17年8月末まで在籍したタイガース時代のトラブルが“拒否”の原因だ。

 「球団・メディア規定」は、17条にわたってロッカーのメディアへの開放時間から選手のメディア対応や取材者の選手へのサイン要求禁止…など、常識的なことまで細かく規定する。選手も記者もがんじがらめだ。今回はメディアが規則、規則で攻め立て騒ぎが大きくなった印象だ。そもそもバーランダーの対応は取材拒否に当たるのだろうか。(野次馬)

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