球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

地味なマリナーズの派手な訴訟合戦…結末やいかに

[ 2019年1月6日 05:30 ]

 マリナーズは“地味なチーム”だ。何しろイチローが入団し、MVPと新人王を獲得して地区優勝した01年を最後に大リーグ史上最悪の17年連続ポストシーズン進出なし。静かなシアトルの街でファンと地元紙から「今年もダメか」と苦笑されながら負け続けた。そんなチームが、“改革の切り札”と招いた女性フロント幹部とわずか1年で訴訟合戦、ちょっと派手めな騒動が始まった。

 騒ぎの主は博士号を持つノースウエスタン大学教授のロレーナ・マーチンさん。3年契約を結んだ17年10月末の発表会見でジェリー・ディポトGMが熱弁をふるった。

 「わが球団は、球界初の“ハイ・パフォーマンス達成部門”を創設し、その部署に最適な人物として招いた」

 学識が凄い。医療、メンタル、栄養学、生理学、心理学、スポーツ科学、統計分析…、これらを統合して最高のパフォーマンスを追求するという。通常球団は、こうした専門家は部門ごとに一時的に雇い、その効果を見届け、採用を考える。マ軍は同氏のマルチな才能を買ったのか。いきなり多分野を統括する幹部に据える異例の人事だ。同氏も「マリナーズの一員となり興奮している」とウィンウィンを強調した。だが、全てを丸投げした格好で、権限の仕切りが曖昧だった。

 シーズン中、GM・監督コンビと同氏はしばしば衝突した。ミーティング参加禁止、遠征同行もノー…。選手からの不満も多かったという。9月に失速しプレーオフを逃した球団は同氏を解任した。「私の仕事を妨害しておいて解雇するとは、性差別、人種差別(同氏は中南米系)の疑いあり」と同氏は主張し、「不当な解雇。20年の契約終了までの報酬全額を支払うべき」と告訴した。球団は怒り、「彼女の言い分はでたらめ」とカウンター告訴。地味なチームに似合わぬ派手な泥仕合、争いは長引きそうだ。 (野次馬)

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