鈴木啓示氏 4番の存在感を発揮した阪神・大山 9回「さあ、行くぞ」のムードつくった

[ 2023年5月4日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神8ー7中日 ( 2023年5月3日    甲子園 )

鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示 視点】ゴールデンウイークで満員御礼のお客さんに阪神が最高の勝利を贈った。まるで2度勝ったような試合だ。6点差を追い付いて、涌井の白星を消した時点で1勝。そして9回の攻防でさらに1勝の気分。ファンにはたまらない展開だった。

 西勇が2回に6点を失っても、切り替えができた。まだ1勝だけの涌井の攻略は十分にできる。勝利投手になるために最低5回は投げないといけない。ベンチの攻略プラン通りに、選手が攻撃をつないだ。5回終了時点で2点差とし、勝機は見えた。

 阪神の4番としての大山が存在感を発揮した試合でもあった。6回2死満塁からの左前適時打で同点に追い付くと、1点をリードされた9回も先頭打者で二塁打。「さあ、行くぞ」のムードをつくった。闘志を呼び起こす一打だった。岡田監督の代打策がズバズバと決まったのも特筆ものだ。2回に小野寺が右前打、4回に渡辺諒が左前打、サヨナラの9回も原口の左前打が効果的だった。見事な采配だ。

 西勇は状態が悪く、2回は3本の適時打を初球打ちされた。全て変化球。勝負できる球もなかったが、負けなかったことが今後につながる。降板後も攻守交代のたびに真っ先に選手を出迎え続けた。前向きな気持ちで再調整に努めてほしい。(本紙評論家)

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