広島・韮沢、敗戦でもキラリ「絶対に打ってやろうと」プロ初マルチはサイ・ヤング賞のバウアーから

[ 2023年5月4日 06:00 ]

セ・リーグ   広島1ー4DeNA ( 2023年5月3日    横浜 )

<D・広>7回、バウアーからこの日2本目の安打を放つ韮沢(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 広島・韮沢雄也内野手(21)が3日のDeNA戦で攻守に存在感をアピールした。今季2試合目の先発に「8番・二塁」で名を連ね、プロ初マルチの2安打。打った相手が20年サイ・ヤング賞投手のバウアーだけに価値がある。1―4で敗れて3連勝を逃しても、新井貴浩監督(46)も評価した。

 敗戦の中で高卒4年目の若ゴイがキラリと光った。4月22日のDeNA戦以来となるスタメンに8番二塁で名を連ねた韮沢。難敵バウアー相手にプロ初のマルチ2安打をマークすると、守備でも軽快な動きで好守を連発してみせた。

 「いい投手なので絶対に打ってやろうと思っていました。追い込まれてから、真っすぐをはじき返せたのはよかったと思います」

 デビッドソンのソロで先制した2回、なおも2死一塁で内角直球を右翼線にはじき返すと、3点劣勢の7回にも2死から外寄り高め直球を振り抜いて一、二塁間を割った。何しろ、相手は20年のサイ・ヤング賞投手。インパクトは十分だ。

 入団当初から守備力を買われ、打撃が課題と言われてきた。打席での態様は、しかし、昨季までとは大きく変わった。積極的で、かつ強いスイング。自主トレの成果だった。坂倉、遠藤と汗を流した1月の高知。巧打の先輩から助言を受け、韮沢はグンと成長した。

 「坂倉さんと一緒にやって強く振れるようになりました。それと(立ち遅れないため)タイミング(を早く取るように)。全体の筋力も増えているので」

 2本目の安打を放った7回には、続く代打・堂林の右越え二塁打で生還できず、三塁でストップ。課題が露呈した一方で、マクブルームがはじいた初回の先頭・佐野のゴロをバックアップし、ベースカバーに走った九里に送球するなど、二塁守備では好守を連発した。

 「ああいう好投手から2安打、しかもいい当たりで。ニラ(韮沢)は自信にしてもらいたいね。(走塁ミスについては)そこは反省して次につなげてほしい。それよりも、いい安打を見せてもらった」

 新井監督はミスを責めず、打席で放った光に目を細めた。今春キャンプは2軍始動ながら紅白戦の内容が認められ、沖縄2次キャンプから昇格した21歳。以来、ずっと1軍に居続け、徐々に活躍の場を広げつつある。

 「毎日が充実しています。出場機会はあまりないけど、いつ出てもいいように準備はしっかりやっています」

 二遊間はもちろん、一、三塁もこなす万能型。いずれは定位置奪取へ、韮沢は今日も必死に汗を流す。 (江尾 卓也)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月4日のニュース